昨年末の衆院選で議席を4分の1にまで落とした民主党。当然多くの秘書も失業の憂き目にあっている。屈辱の就職活動を失職秘書が語る。
党首の顔を海江田万里代表(63)に代えて出直しを図る民主党だが、最新の支持率は7%となり日本維新の会の14%にも遠く及ばない。
「再来月の家賃の支払日までにどこかの先生のところに決まらないと、もう風俗で働くか、田舎に帰るか、どっちかしかないですね」
悲痛な面持ちで、こう話すのは民主党の落選議員の下で私設秘書を務めていた20代のAさん。松嶋菜々子似の美人秘書だが、現在は無職の身だ。
「秘書仲間に紹介してもらって、先日、自民党の中堅議員の事務所に頭を下げに行ったんです。机の上には30センチ以上の履歴書の山があり、同じような立場の人間の多さに思わず言葉を失いました」(Aさん)
今回の選挙では衆議院議員480人中、266人が入れ代わっている。秘書には、国から給与が支給される公設秘書と議員が自費で雇う私設秘書があるが、公設秘書3人・私設を2人ほど置くというのがスタンダードなスタイルで、今選挙では1000人以上が失業したことになる。年収は、公設ならば約700万~1000万円が相場である。私設は約300万円になり秘書界の底辺の立場だ。蒼井優似のOさんは既婚の30代の失職秘書だ。先日、ようやくある衆議院議員の公設秘書に再就職が決まったという。
「本当に必死でした。急な選挙で落選して、慌てて就活しましたが、ある自民党の女性議員から『子供の面倒まで見てくれることも込みならば』という条件を出されました。悔しい気持ちでいっぱいでした」
政治家の「秘書」という職業の特異性を政治評論家の有馬晴海氏がこう解説する。
「選挙に強いベテラン議員は求人倍率が高い。新人議員は倍率は下がるが落選するリスクが高くなる。議員選びは秘書の人生を大きく左右します。不安定だし、社会保障もありません。ではなぜ続けるのか。私設秘書から公設になれば収入が倍になります。何より仕えた議員が出世すれば、一般企業では味わえない、国を動かすという大役の一端を担うことができます。ですから、なかなかこの魑魅魍魎の世界から離れられない秘書が多いのです」
支持団体の「連合」からも距離を置かれ、他政党と連携を模索するも無視されている海江田民主党。凋落は歯止めのきかない状態だ。