2019年1月、高校野球に激震が走る。春のセンバツ大会の出場校は1月25日に発表されるが、センバツは前年秋の大会の成績が参考となるため、明治神宮大会の優勝校である札幌大谷は出場が確実。同校が秋の頂点をつかんだ時、「甲子園未経験校の快挙!」とも騒がれたが、それにはヒミツがあったのだ。
「札幌大谷は中高一貫校です。でも、中学の野球部は文科省の中体連下に置かれる軟式ボールの部活動ではなく、ボーイズリーグの大会に出場しています。学校の部活動なのに、硬球の野球部なんです」(地元関係者)
つまり、札幌大谷は中高の6年間をかけて硬式ボールの部活動を“完成”させるのだ。禁止はされていない。また、甲子園出場を夢見る中学球児にも「軟式の部活動ではなく、硬式を扱うクラブチーム」に入って高校進学に備える者もいる。だが、そのクラブチームが私設団体ではなく、学校単位での参入となると、否定的な見方をする高校野球ファンもいないわけではない。
「以前から硬式のクラブチーム大会に出場する私立中学校がありました。禁止はされていません。中体連、日本高野連は『そのうち検討』みたいな言い方でしたが…」(都内私立高の野球部監督)
中高一貫の硬式指導の是非について、高野連は結論を出さなければならない。ちなみに北海道の代表校が神宮大会を制したのは、田中マー君の駒大苫小牧以来。そして札幌大谷は、夫人の里田まいの母校でもある。
(スポーツライター・飯山満)