平成の終わりまであとわずか。この時代を彩った往年の人気女優たちが今、再び華を咲かせている。
平成の始まりとともに登場したのが牧瀬里穂。平成元年(1989年)12月、JR東海の「クリスマスエキスプレス」のCMで一躍大ブレイクした。現在、9年ぶりとなる連ドラ「まんぷく」(NHK)に出演しており、ヒロインの福子(安藤サクラ)が、池田に引っ越した後に働き始める喫茶店の店主の妻・川上しのぶを演じている。
平成元年10月期の月9ドラマ「愛しあってるかい!」(フジテレビ系)の大ヒットで、歌手のみならず女優としても確固たる地位を築いた小泉今日子は、大河ドラマ「いだてん」(NHK)に出演。4月に始まる朝ドラ「なつぞら」には、平成2年4月期放送のドラマで、のちに5本のスペシャルドラマを生み出した「ホットドッグ」(TBS系)に出演していた仙道敦子が登場。仙道は、昨年放送の「この世界の片隅に」(TBS系)に、連ドラとしては25年ぶりとなる出演を果たしている。
平成を彩った月9ドラマ「東京ラブストーリー」で人気となった鈴木保奈美は昨年秋の月9ドラマ「SUITS/スーツ」(フジテレビ系)で、「東京ラブストーリー」以来27年ぶりに織田裕二と共演し、話題になった。いずれも、1990年代に一時代を築いた女優たちだ。
このような傾向について芸能ジャーナリストは、次のように分析する。
「新しい年号に変わる年となり、平成時代に活躍した人たちの懐かし映像が多く放送されるようになりました。牧瀬が出演したJR東海のCMは、幾度となく紹介され話題になりました。若者のテレビ離れが加速する中、視聴者の多くは中高年層。つまり、先に挙げた女優たちがいちばん輝いていた時代を知っている世代です。また、仙道のように子育てが一段落しての活躍は、同世代の共感も得やすいでしょう」
彼女たちを起用するのは、中高年層を取り込みたいというテレビ局の思惑があることは間違いないようだ。