あの永ちゃんもついに堪忍袋の緒が切れたようだ。大物人気アーティスト・矢沢永吉の公式サイトでは1月24日、迷惑行為を繰り返すファンを出禁措置とし、ファンクラブから強制脱会させたことを発表した。
出禁となったファンが率いていた私設応援団では、周りに永ちゃんコールの強要や過度なアオリを行っていたほか、飲酒状態での入場や応援団内部でのケンカといった迷惑行為が相次いでいたという。また公式サイトのツイッターでは昨年9月、公演中に「ハッピーバースデー」の合唱や風船飛ばしを計画しているファンに対して、演出の妨げとなるので「絶対におやめください」と警告していた。
今回の出禁措置に、私設応援団が怖くてコンサートに行けなかったという永ちゃんファンは安堵しているようだ。その一方で女性アイドル分野では、今回の措置に対して戦々恐々とするファンも現れているという。アイドル誌のライターが指摘する。
「実のところ、矢沢永吉の公式サイトが問題視していた行動の中には、女性アイドルのコンサートなどの現場で普通に行われているものが少なくありません。その典型が『ハッピーバースデー』の合唱。メンバーの誕生日が近づくと、ファン有志が私設の“生誕祭委員会”を立ち上げ、垂れ幕を作ったり合唱をリードするのはごく当たり前の光景です。また他のファンにコールを求めたり、自分たちで考えたMIX(合いの手)を広めようとするのも普通に行われています。そういった行為が今後、運営やレーベル側に禁止される可能性が高まるのではないかとファンは恐れているようです」
その背景には、一部悪質ファンによる迷惑行為が横行していることがあるという。それらの悪質行為についてアイドル誌ライターが続ける。
「今、問題になっているのは“最前管理委員会”なるファン集団です。何組ものグループが次々と出演する対バンライブでは、推しグループごとに客席の最前列を譲りあうのがマナー。ところが、一部には最前列を死守し続け、他のファンが最前列に近づこうとすると、暴力をふるって排除するという悪質なヤカラがいるのです。しかも推し以外のグループが出演している時は後ろを向いてゲームをやっていたりするのですから、その悪質さには目も当てられません。1月に開催された某ライブでは、その連中が暴力沙汰を起こし、警察が出動するトラブルになった。その場で出禁を言い渡されたそうですが、主催者が異なるライブでまた同じことをする可能性もあり、業界側では警戒を強めています」
音楽のジャンルをかかわらず、迷惑なファンはどの分野にもいるようだ。
(金田麻有)