左の薬指を亜脱臼しながらも、フィギュアスケートの四大陸選手権で逆転優勝を果たし、3月20日に開幕する世界選手権でも優勝が期待されている紀平梨花選手。SP5位からの奇跡の逆転劇をもたらした要因の1つに、濱田美栄コーチによる“秘策”があったという。
「濱田コーチが紀平選手と宮原知子選手のために、アメリカのコロラド州での合宿を企画したんです。しかも実行したのは四大陸選手権の直前で、大会1週間前に合宿を終えるという強行軍でした」(スポーツライター)
コロラド州といえば、陸上選手が高地合宿をすることで有名だ。州都のデンバーは標高約1600メートル。奥羽山脈の栗駒山、白神山地の岩木山に匹敵する。
「10日間のトレーニングでは、曲をかけての練習やスピンなど、密度の濃い練習ができたようです。紀平選手は『10日間以上の練習をした』と充実ぶりを語っていました。高地合宿で厳しい練習を重ねることで心肺機能を高め、プログラムを楽にこなせるようにするだけでなく、さらに、振り付けのトム・ディクソン氏に指導を仰ぎ、プログラムの見直しや修正を重ねて、演技にとことん磨きをかけたのだそうです。四大陸選手権では、その成果がはっきりと出たということです」(前出・スポーツライター)
試合前にも合宿でハードなトレーニングを積んだおかげで、ジャンプが今までより軽く飛べるようになったという。宮原選手ともども、このコロラド合宿の成果を世界選手権でも大いに発揮してもらいたいものだ。
(芝公子)