芸能

振り返る「平成元年」の芸能界(5)横山やすし、みずからたどった「転落の道」

 派遣型マッサージ店女性従業員への性的暴行の疑いで逮捕された、俳優・新井浩文。事件発覚後、所属事務所から契約解除された。

「一部容疑を否認しているところもあり、今後については不確定ですが、すでに撮影済みだった映画やドラマの公開、放映中止などの損害は大きすぎる。俳優活動を再開させるのは限りなく難しく、事実上の業界追放になると見ていいでしょう」(芸能プロ関係者)

 名バイプレーヤーとして、数々の名作を残すことが期待されていた貴重な才能を失うことになり残念で仕方がないが、「平成元年」にも、有り余る才能がありながらその芸能人生をみずから無きものとしてしまった男がいた。

 平成元(1989)年4月17日午後2時、吉本興業では緊急会議が招集され、その2時間前に起きていた、横山やすしの交通事故への対応についての話し合いが行われていた。

 やすしが運転する車が大阪市淀川区の交差点でミニバイクと接触し、バイクに乗っていた男性が10日間のケガを負った。横山は、酒気帯び運転の基準値の2倍ものアルコールが検出されていた。

「やすしは、それまでにも何度も酒と暴力で不祥事を起こしていました。前年には、息子の木村一八が、その父の人生をなぞるかのようにタクシー運転手を暴行。脳挫傷の大ケガをさせて少年院送りになり、やすしも謹慎処分を受けていました。平成元年3月に処分が解かれ、『生まれ変わった横山を見てください!』と泣いて大見得を切ったばかりの事故だったのです」(関西お笑い関係者)

 さすがに吉本興業もかばいきれず、やすしの契約解除を決定。吉本の影響力を考えると、これは“業界追放”を意味していた。

 平成4(1992)年には参院選に出馬するなど(落選)、その後もやすしの言動が世間を騒がせることはあったが、もはや世間が彼を見る眼差しに温かさが戻ることはなかった。同年8月には謎の暴行事件で脳挫傷の重傷を負い、3年ものリハビリ生活を送ることとなった。

 そして平成8(1996)年1月21日、51年の波乱の生涯を終える。死因は、アルコール性肝硬変。没後、追悼番組は軒並み高視聴率となり、やすきよ漫才が再評価されることになったのだ。

(露口正義)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論