この外国人活動家の存在が目立つようになったのは、中韓による反日世論が高まった2010年頃からだという。実際、米軍キャンプ・シュワブでは、異様な光景が目撃されている。
「特に目立つのは韓国人ですね。多い時には30人ほどのグループが反対派と一緒になって、ハングルで書いた垂れ幕やプラカードを掲げていました。彼らは基地移設に興味があるわけではないし、そもそも外国人なので投票権を持っていないのですが‥‥」(地元住民)
住民の不安をよそに、反対運動は過激さを増し、15年9月にはキャンプ・シュワブのゲート前で、警備中の警察官を蹴った20代の韓国人男性が現行犯逮捕されたこともあった。それでも韓国人よりも警戒が必要なのは、中国人活動家だという。沖縄在住のジャーナリストが解説する。
「実は日本の捜査機関は中国語の官製の語学学校に疑惑の目を向けています。中国政府は中国語や文化を広めるため、世界各地に語学学校を設置していますが、そこが中国共産党思想のプロパガンダの温床になっていると世界各地で問題視されている。実際、米国では中国当局のスパイ疑惑が浮上し、FBIの捜査対象となっている。その語学学校は日本各地に点在し、中国人関係者が沖縄にも来ています。慈善活動に参加して反対派の県民との距離を縮めたり、中国大使館や『反安倍』のメディア関係者とも密接な関係にあるとみられています」
反対派に偽装した中国人活動家らの目的は、県民投票で「反対」票を集めることだけではなかった。
「沖縄県民が国に対する不信感を募らせ、国力を衰退させることに力を注いでいます。中には基地反対派が先鋭化して『中国の帰属になればいい』という親中派も少なくない。もともと沖縄にはルーツを中国に持つ人もけっこうな人数が暮らしています。つまり活動家が『沖縄独立論』を吹き込み、扇動しているのです」(ジャーナリスト)
沖縄は72年にアメリカからようやく日本に返還され、日本への帰属意識が強いと思われがちだが、須田氏も、反対派の中には沖縄独立を強く主張する市民活動家がいると指摘する。
「今、辺野古は反政府の象徴になり、国籍問わずいろいろな人が入り交じっています。独立を主張する市民活動家のあるグループは、沖縄は英国から独立を目指すスコットランドと同じような状況にあると考え、実際、スコットランドまで行って意見を交わし、連携している。県民投票の結果に安倍政権が耳を傾ける気がないのなら、『自分たちのことは自分たちで決める』として、独立に向けて県民に火がつく可能性が高まりそうなのです」
もはや何が起きてもおかしくないほど、安倍政権と沖縄の溝は深まっているのが現状なのだ。