第3回WBC第1ラウンドが、いよいよ来週開幕する。侍ジャパンの3連覇に期待が高まる一方だが、あの人だけは厳しい言葉を並べ立てた。要は、山本浩二監督の指揮能力では勝てないというのである。
第3回WBCを間近に控え、山本浩二監督(66)率いる侍ジャパンの合宿も熱を帯びている。
今回の代表チームは、選手会の不参加表明に始まり、迷走を極めた監督問題やメジャー組の全員辞退など、紆余曲折の末にまとまっただけに、今はただ健闘を祈るばかりである。
ところが、元楽天名誉監督の野村克也氏(77)は黙っていられない。
野村氏は再三、浩二ジャパンの苦戦を指摘し続けているのだ。
例えば、昨年12月10日に行われた「ニッポン放送ショウアップナイター カンファレンス 2013」というイベントで、山本浩二監督の手腕を問われると、
「無理。常識的には無理ですよ」
と、身も蓋もない物言いで一刀両断した。
この発言は、同イベント上のみでのリップサービスかと思いきや、2月9日に発売された「文藝春秋」3月号誌上でも同様に、しつこく、こう斬り捨てているのである。
〈正直言って、山本浩二監督では、WBC三連覇は厳しいように思う〉
さらには、その根拠について、こう続けている。
〈歴史を見ても外野手出身で名監督と評価された人はいません。外野手の考えることは相手打者に応じて守備位置を決定するのがせいぜいで、試合の当事者になりにくい。臨機応変という発想から最も遠い存在で、何でも型にはめたがる傾向にある。隙を見て相手の嫌がることをする小事細事の発想がないんです〉
発言の真意について、同記事でインタビュアーを務めた、スポーツジャーナリストの二宮清純氏が解説する。
「決して山本監督憎しではなく、野村さんの持論である『外野手出身に名監督はいない』ということを話しているんだと思います。実際、外野手出身でリーグ優勝と日本一を成し遂げた日本人監督は秋山、若松両監督しかいないですからね」
とはいえ、侍ジャパンが3連覇を目指すWBC直前になってまでネチネチと続く“口撃”は、波紋を広げるばかりである。
野村氏がこうまで猛毒ボヤキを繰り出す理由は、やはり監督人事に対する不満からであろう。
先の「文藝春秋」では、ここまで言っている。
〈街を歩いていても、「なんで野村さん、やらないのですか」と声をかけられますよ。有難いことですが、「ああ、どうも」としか答えようがない。私のところには打診もなかったですから。私が言うのもおかしいけれど、最近は能力より処世術に秀でた人が監督に選ばれやすい〉
まるで、山本監督には能力がなく、処世術しかないのが致命的欠陥とでも言わんばかりなのである。