CM騒動があったとはいえ、球界の御意見番としての野村克也氏(77)は健在。同じく一家言ある落合博満氏(59)とともに、WBCの侍たちをボヤキ斬っていた。何しろ熱闘のベンチ裏では、さまざまな危険球が飛び交っていたのだから‥‥。
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山本浩二監督(66)が早くから主砲兼主将に指名した阿部慎之助(33)。野村氏は評論家を務めるサンケイスポーツのコラムで、次のように苦言を呈している。
〈あまりにも山本監督はじめ首脳陣が、阿部に責任を負わせすぎているように思う。私は、たとえ阿部といえども「捕手、4番、主将」の全てを十分にこなすのは難しいと考えている。(中略)首脳陣は、阿部に捕手仕事に専念させるために、打順は気楽に打てる6番あたりに下げてやるべきだ〉
1次ラウンドでの阿部の不振、苦心した試合運びは監督と首脳陣の柔軟性不足のせいだと指摘したのだ。
その阿部だが、チーム内での評判はイマイチだ。WBC担当記者が言う。
「宮本慎也、イチローといった過去の主将、リーダーはひと言でチームをガラリと変えた。第1回大会でイチローは、『向こう30年は日本に手を出せない、という形で勝ちたいと思う』と韓国戦へ向けて鼓舞した。しかし、阿部は熱く語るタイプではなく、俺の背中についてこいタイプ。言葉の発信がないんです。聞いたそばから忘れるような程度の印象に残らないことしか言いませんね」
1次ラウンド、韓国の脱落が決まった台湾戦。日本代表メンバーは宿舎の計らいで、皆で観戦する環境を提供してもらった。
「ライバルの研究をしようと多くの選手が集まりましたが、阿部は参加せず。一部の選手からは『主将なのに何なんだ』とブーイングが出ていました」(遊軍記者)
野村氏はオランダ戦(第1戦)に16対4でコールド勝ちした3月10日の深夜、出演した「S☆1」(TBS系)でもボヤキ放題。
「浮かれてると怖いよ。だいたい私の長い経験でね、大量得点を取った次の日は全然、点が取れない」
と釘を刺したうえで、こう続けた。
「ヒーローインタビュー、井端が何で出てこないの。いい仕事してますよ。最高の脇役だ。彼はまだ守れて走れて打てる」
井端弘和(37)をなぜショートで使わずDHなのかという不満だ。先の「予言」はオランダ戦(第2戦)に10対6で連勝したことでハズレたが、山本監督は井端を3番ショートで先発出場させた。ボヤキが監督の耳に入ったのかもしれない。
もう一人の御大、落合氏は3月9日の講演会(神奈川県民ホール)で、聴衆への「WBCを見ている人?」との質問にたくさんの手があがったのを見て、
「何がおもしろくて見てるの?」
と皮肉り、こう続けた。
「(延長10回で逆転勝ちした8日の)台湾戦は王(建民)以外のピッチャーが薄いのは明白だから、9回に同点に追いついた時に勝ちは決まっていた」
この試合、能見篤史(33)が先発し、杉内俊哉(32)が最後を締めたが、能見は3回に押し出し四球を出して先制点を献上している。
「あれは緊張のあまりハートが弱くなったせい。NOHMIではなくNOMI(ノミ)だ、と報道陣に揶揄されていました」(カメラマン)
一方の杉内は、2月の宮崎合宿中の宿舎内での不倫キスを写真誌「フライデー」に撮られる大失態。
「いろんな媒体のカメラマンが大勢いるから気をつけるように、と選手は言われていたんですけどね」(前出・WBC担当記者)