担当記者が続ける。
「他球団の選手たちは、『(人気のある)巨人の選手とは一緒に飲みたくない』と、カメラマンに狙われる巻き添えを食らうのを心配していた。坂本勇人(24)や長野久義(28)はパ・リーグのベテラン選手に『頼むからお前らは来るな』と言われていました」
ちなみに、同席拒否された長野は宮崎合宿中には連日、行きつけのキャバクラへと足を延ばしていたという。
杉内は球団から罰金を科せられたが、
「300万円以上はいったでしょう。一説には500万円だと漏れ伝わってきています」(スポーツ紙デスク)
実は当初、台湾戦では杉内を第二先発としてロングリリーフさせる予定だったが、ちょうどその日に「フライデー」が発売されたことで白紙撤回されたという。
「くしくも金曜の夜。規律を乱すことが大嫌いな山本監督の杉内に対する信頼はガタ落ちとなりました。同点で迎えた9回に登板した牧田和久(28)は10回もいくつもりでした。ところがダイビングキャッチで背中を痛め、大事を取って下げたため、抑え経験のない杉内をしかたなく登板させたのです」(前出・デスク)
不倫投手に頭を抱えた山本監督は1次ラウンドの福岡では休日に1人で映画「ダイ・ハード ラスト・デイ」を鑑賞に出かけた。前出・カメラマンが話す。「映画館を出たあとは、1人で喫茶店に入っていきました。『ダイ・ハード』を選んだのは気合いを入れるためだったようです」
この映画のCMでは「かれこれ25年前、地獄みたいな高層ビルに閉じ込められたあの日から、俺のツイてない人生が始まった」というナレーションが入る。後日、監督の映画鑑賞を知った選手たちは、
「もし気合いが空回りし、1次ラウンドで敗退しようものなら『日本一ツイてない男』になるところだった」
と苦笑いしていたという。
ところでWBCは国際大会だけに、監督会見では通訳が入るが、
「質問後に通訳が入るため、答えるまでに間が空く。通訳が話し終わり、NPBの司会者が『どうぞ』と監督を促すわけですが、『どんな質問でしたっけ。エッヘッヘッ』と笑いだす。通訳も『I forget』と訳してしまうもんだから、報道陣はザワつきました」(前出・WBC担当記者)
再び、野村氏のボヤキに戻ろう。侍ジャパンが決勝ラウンド進出を決めたあとの3月13日、映画イベントに出席した際にこれまでの戦いぶりに水を向けられると、
「(決勝ラウンドに)よく行ったなと思いますよ。苦戦ばっかりじゃないですか。1つ間違えれば負けてるでしょう。“ラッキー”って勝ち方で“名采配”っていう勝ち方じゃない。そう思いませんか? 投手がしっかりしているから試合を壊さない。我慢して、我慢して抑えていって、後半逆転するという展開でしょ。見ていると選手もイライラしてたまらないでしょ」
と、一刀両断にダメ出ししたのだった。
まさに内憂外患な3連覇挑戦の旅だったのである。