武の騎乗フォームは、今なお、世界のホースマンたちから絶賛されている。
「欧州の第一人者R・ムーア(35)や、マジックマンことJ・モレイラ(35)から『彼はいったい、どんなトレーニングをしているんだ?』と聞かれたこともあります。JRAだけでなく欧州の競馬学校でも、豊さんの騎乗フォームは教材になっているほどです」(スポーツ紙記者)
スマートな体型を羨むファンも多いだろうが、ビール腹に悩む栗東トレセン関係者から、こんな話が伝わってきた。
「豊さんの酒豪ぶりは健在だし、お店でも食事制限をしているようなそぶりはない。昨年、恒例の誕生会でもベロンベロンに酔っ払ってたよ(笑)。それでも晩年のアンカツさんのように、サウナと調整ルームを往復しているっていう話は聞かないな。オンとオフを上手に使いこなしているんだろうね。騎乗技術もさび付かないし、『豊さんが空いてた』って喜ぶ馬主関係者は多いよ」
騎乗依頼の人気ぶりは数値にも表れ、有力馬の宝庫たる「社台軍団」の馬に乗る機会もグッと増えている。週刊アサヒ芸能連載でおなじみの伊吹雅也氏が話す。
「今年は全騎乗馬の約31%がノーザンファームと社台ファームの生産馬です(3月10日終了時点。数値は以下同)。過去のキャリア全体におけるシェアは約16%で、12年前後の数年間は、さらに低かった。それが近年は、ジワジワと回復しています」
3月10日の中京でも、ノーザンファームのチカリータ、社台ファームのスペースクラフトを勝利に導いている。
「今年は社台ファーム生産馬に騎乗した際の複勝率が60%、複勝回収率は105%と、好成績を収めています」(伊吹氏)
他のトップジョッキーからシェアを奪うことができれば、さらに成績アップにつながりそうだが、今シーズンからエージェント(騎乗依頼仲介者)が変更になったことで、今まで以上に社台軍団とのコンビが急増しそうだ。
「エージェントは、C・ルメール(39)と浜中俊(30)も担当している豊沢信夫氏です。ルメールは昨年のリーディングジョッキーでもあり、多くの依頼がある。しかし全ての馬に乗れるわけじゃないから、当然、断ることも多い。その代役として浜中にすんなり決まればいいけど、別の騎手に流れるケースもあった。それが豊さんなら流れる心配もない。エージェントが変更になった今年は、豊さんにとって大きな転機になりそうです」(スポーツ紙記者)