武人気は馬主サイドばかりではなく、当然ながら、馬券にも顕著に表れる。武の親戚になりすまし、「絶対に当たる」と称して馬券代金を詐取した男が逮捕される事件が先日、報じられた。それほど「武豊馬券」には強い魔力があるのだ。伊吹氏が詐欺不要の妙味十分な狙い目を解説する。
「今年の武騎手は『競走番号別成績』におもしろい傾向があります。第1R~3Rは複勝率が50.0%、複勝回収率は117%。第12Rも複勝率52.9%で複勝回収率が137%。好走率も配当的にも申し分ない」
シニア世代に近づくにつれ、単に朝に強くなったわけではない。トレセン関係者が理由を語る。
「朝の未勝利戦はクセのある馬がいたり、初芝や初ダートのような条件替わりのケースもある。経験豊富な豊さんだからこそ、騎乗馬を一変させることが多いのでしょう」
そして武といえば、芝で鮮やかな直線一気のイメージがあるが、今年の29勝の内訳を見ていくと、約79%の23勝が4角4番手以内だった。
「M・デムーロ(40)の約58%や福永祐一(42)の約55%と比べても、今年は積極策が好結果につながっている印象ですね」(伊吹氏)
そもそも武は、若い頃から位置取りのうまさに定評があった。スポーツ紙デスクが振り返る。
「瞬発力に秀でたサンデーサイレンス産駒の持ち味を最大限に生かした、後方からのレースが印象深いだけ。若い頃は『行こうと思ったところに(兄弟子の)河内さんがいた』なんて話すほど、ポジションにこだわっていた。昭和ならメジロマックイーン、平成ならキタサンブラックなど、これまでも絶妙なペース配分で、強い先行レースを演じています」
意外なところでは、ダート戦での勝利数だ。剛腕イメージの岩田康誠(44)の16勝を上回る18勝を挙げ、単独トップに躍り出ている。
「芝の単勝回収率50%、複勝回収率が68%に対して、ダートは単勝回収率が100%で複勝回収率は91%。一般論として、芝よりダートのほうが先行有利なだけに、積極的な競馬が頻繁にハマッているのかもしれません」(伊吹氏)
経験値の高さは「枠番順別成績」にも表れている。
「内外の極端な枠に入ったレースで好成績をマークしています。1枠は複勝率が45.8%で複勝回収率は116%。8枠は複勝率52.6%で複勝回収率は107%と、ベタ買いしてもいいぐらいの高水準です」(伊吹氏)
往年の競馬ファンであれば、89年にシャダイカグラで制した「伝説の桜花賞」を思い出すことだろう。
「絶対的に不利と言われた大外18番枠からの勝利は語りぐさですが、豊さんは引き出しが豊富で、リカバリーに優れている。枠番が嫌われて人気を落としていれば、逆に買い時になります。GI2連勝がかかる今週末の高松宮記念では、逃げ馬のモズスーパーフレアに騎乗しますが、もし大外枠に入れば人気を落とすでしょう。その時は、おいしい馬券になるかもしれませんね」(スポーツ紙デスク)
データに裏付けされた真の「武豊馬券」で大儲けといこう!