3月30日の深夜に「ドバイ国際競走」がUAEのメイダン競馬場で開催される。日本馬10頭が6レースに参戦予定で、馬券の対象はGIの4レース。中でも注目は、絶対女王のアーモンドアイが挑む「ターフ」と、GI馬3頭が名を連ねる「シーマクラシック」だ。
桜花賞からGI4連勝中のアーモンドアイが初の海外遠征で「ドバイターフ」に臨む。3月17日、美浦で行われた国内最終調整には、海外のテレビクルーも駆けつける注目度だった。
海外競馬にも詳しい「スポーツ報知」の牧野博光デスクが振り返る。
「国枝調教師は『みずからハミを取ってグンと行き、馬にやる気があっていいんじゃないか』と、順調ぶりをアピール。2週連続で手綱を取ったルメール騎手にいたっては、現地メディアの取材に『日本のスーパースターホース。ジャパンCをレコードで勝ち、皆が強い馬だと思っている』と誇らしげに話し、『ドバイはファーストステップ。いい結果を出したら凱旋門賞に行きたい』と、世界制覇に意欲を見せていた」
「ターフ」には、昨年の2着馬ヴィブロスと、3着馬ディアドラも出走予定だ。
「海外遠征は人馬ともに経験値が問われます。ヴィブロスは一昨年の優勝馬でもあり、期待十分。ディアドラは前走の中山記念で6着でしたが、昨年も京都記念の6着から巻き返しているので心配ないでしょう。最終追い切り後、橋田調教師は『前走は休み明けで反応できなかった。本番に向けてはいいレースができたと思う』と、2年連続のドバイ挑戦に手応えを感じていました」(牧野氏)
昨年の覇者で地元のベンバトルが戦線を離脱しているだけに、日本馬による上位独占の可能性も十分。場合によっては1、2番人気に推されるかもしれないが、本命党はアーモンドアイ1着固定で、相手を日本馬2頭にしぼった「3連単2点勝負!」で仕留められるかもしれない。
とはいえ、過去10年で3勝の地元勢や、4勝している欧州勢も気になるところ。「東京スポーツ」でコラム「海外競馬解析」を執筆する競馬ライター・秋山響氏が解説する。
「まずは地元のゴドルフィンが所有するドリームキャッスルです。前哨戦のGI『ジェベルハッタ』を差し切り、重賞3連勝中。去勢が功を奏したのか、今シーズンは走りが違います。正直、対戦メンバーは、だいぶ強くなりますが、地元の利を加味すれば‥‥」
欧州勢ではゴドルフィンと並ぶ巨大競馬組織、クールモアのアイキャンフライも侮れないという。
「昨秋のマイルGI『クイーンエリザベス2世ステークス』で、昨年の欧州年度代表馬ロアリングライオンのクビ差2着に入った実績は光ります」
この他の注目馬として秋山氏は、ゴドルフィンのウートン、そして英ブックメーカーでは9番人気の香港馬サザンレジェンドをダークホースとして挙げる。
「前者は前走の『ジェベルハッタ』でドリームキャッスルに差し切られての2着でしたが、ドリームキャッスルは前走がシーズン3走目でウートンは2走目。上積みがあれば、今回逆転があっても驚くことはありません。後者は昨年12月のGI『香港マイル』で2着だったヴィブロスと差のない3着に入り、2月のGI『香港ゴールドC』は2着。切れる感じはないですが、ジワジワと伸びてくる。昨年5月には、シンガポールに遠征してローカルGIを快勝した実績もあります」
海外馬券は「日本国内独自のオッズ」なので、外国馬が1頭絡むだけでも、高配当が期待できそうだ。