一方「ドバイシーマクラシック」の日本勢も強力な布陣だ。17年のダービー馬レイデオロ、17年のジャパンCを制したシュヴァルグラン、昨春の大阪杯を勝利したスワーヴリチャードの3頭が参戦する。
「こちらも日本馬による上位独占もありえます。レイデオロの藤沢和雄調教師は昨年4着の雪辱を期し、ルメール騎手とのコンビを継続させていて、鞍上も『今年はリラックスしていて大人になった』とベタボメでした。7歳馬のシュヴァルグランは、昨年の有馬記念で引退を示唆しましたが、佐々木主浩オーナーが『海外の大きなところを獲らせたい』と、現役を続行。2頭の陣営からは意気込みが伝わってきます。スワーヴリチャードは、メンタル面の課題と、人馬ともに初の海外遠征という点に少し不安を感じます」(牧野氏)
迎え撃つ地元勢の筆頭は、ゴドルフィンのオールドペルシアンだ。
「前走のGII『ドバイシティーオブゴールド』では、最後の直線で進路を失う場面もありましたが、進路が開くと鋭い切れ味で差し切った。まだGIでの勝利はありませんが、昨夏のGII『グレートヴォルティジュールS』では、のちにGI『メルボルンC』を制するクロスカウンターを下しています」(秋山氏)
欧州勢では、クールモアのマジックワンドも注目される一頭だ。
「『ヴェルメイユ賞』『オペラ賞』、そして今季初戦の『ペガサスWCターフ』と、GI戦で3度の2着。もうひと押しが欲しいところですが、今年一度使っているという点は追い風です。あと、大穴なら『ドバイシティーオブゴールド』2着馬のレーシングヒストリー。昨年のように遅い流れになれば逃げ粘りもありそうです」(秋山氏)
少頭数なのに大荒れ、というケースは多々あること。人気も分散されそうなだけに、こちらは手広く構えてみてはどうか──。