数ある治療、対処法の中でも群を抜いて多いのが、薄毛対策法ではなかろうか。そのひとつに「足つぼをマッサージするだけで毛が生える」というのがある。
今また秘かな発毛、育毛ブームなのだという。高齢化社会ということもあるが、確かに街で薄毛を見かけることは多い。様々な発毛、育毛法があるのだが、「足を揉めば健康になる」と足揉みマッサージを推奨している「足心道」の柴田當子本部長が言う。
「足は『第2の心臓』と呼ばれています。心臓は血液を全身に運びますが、足は血液を心臓に送り返す役割がある。この足裏には、身体の各器官に通ずるツボがたくさん分布しているのです。つまり、全ての器官を網羅するツボが集まっている。このツボを刺激することで、対応する器官の働きを高めていきます。また、足に溜まった老廃物を揉みほぐし、身体全体の血液の流れを円滑にもします」
確かに2足歩行の人間の足裏には、毎日数十キロの体重がかかり活動している。それゆえ、この足ツボマッサージの歴史は古く、エジプトの紀元前2330年頃の古墳壁画にも描かれているし、また中国最古の医学書「黄帝内経」(前漢時代・紀元前206~208年)にも、足裏の状態から病気を診断し治療する記述がある。そしてこの中に、毛髪の成長と発育に効果の高いツボも記されているという。東洋医学の第一人者である、アスカ鍼灸治療院の福辻鋭記院長が言う。
「足裏の中心部分から足先に向かったところ、人差し指と中指の骨の間にある少し窪んだところにあるのが湧泉というツボ。これは万能のツボと言われており、ここをマッサージすることで血液の循環がよくなり、内臓機能が高まります。この作用が育毛効果を高めることでも有名です」
この足つぼマッサージの効果を高めるには、風呂上がりがいちばん。最初は1回30秒ほどを3セット繰り返すだけでいいというから、ハードルは低そう。
「イタ気持ちいい程度の強さで行うこと。継続することが大事です」(前出・柴田氏)
発毛、育毛は個人差が大きいが、この湧泉マッサージを続けていけば、少なくとも健康になることだけは確かなようだ。
(谷川渓)