2次元の世界でのみ愛されてきたアニメキャラが、リアルな3次元映像で現れる!はたして、アイドルや女優たちが再現したヒロイン像は、いかなる採点を下されるのか?令和の時代も語り継いでいきたい平成の世に起きたミラクルを徹底検証!
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続いて、青春の香りがプンプンする名作に移ろう。あだち充原作で、長澤まさみが“浅倉南”に扮した「タッチ」(05年、東宝)のことだ。長澤のデビュー当時からインタビューを重ねた美少女研究家の高倉文紀氏が言う。
「あまりに有名なアニメのヒロインを演じるということでプレッシャーもあったでしょうが、原作のファンも納得する美少女ぶりでした。今で言うなら広瀬すずに相当する“旬のキャスティング”でしたし、サッカー選手だった父親譲りの運動神経の良さがスクリーンから伝わってきました」
さらに長澤は1年後、同じ原作者の「ラフ」(06年、東宝)でも、飛び込み選手の亜美役を演じた。撮影現場も取材した前出の高倉氏が明かす。
「監督が『長澤まさみを水着にしたかった』と言っていました。水着姿になると一段とスタイルの良さが際立ち、演技力も高いため、スポーツ物のヒロインにはうってつけでしたね」
別の視点で絶賛するのはアイドル評論家の織田祐二氏だ。
「まだ10代の貴重な水着姿。映画の3年前に16歳でグラビア卒業宣言しただけに、長澤グラビアロスからちょっとだけ、いや、かなり解放された作品。水色の競泳水着や、黄色いハイレグ水着姿は必見です」
実写化の原作で最も古いのは、綾瀬はるかが主演した「ひみつのアッコちゃん」(12年、松竹)で、赤塚不二夫によるマンガの連載は1962年に開始。誕生50周年を記念しての実写化であった。前出の高倉氏が分析する。
「原作では小学生のヒロインですけど、ひとひねりして魔法のコンパクトにより、大人の女性になったというオリジナルの設定。こういう明るい世界でコミカルな役をやらせたら、綾瀬はるかは適役です。天然系の女優として、この役はハマっていました」
映画自体はそこそこのヒットに終わったものの、昨年、高視聴率を獲得した「義母と娘のブルース」(TBS系)につながるコメディエンヌとしての出発点になったことは間違いない。