2次元の世界でのみ愛されてきたアニメキャラが、リアルな3次元映像で現れる! はたして、アイドルや女優たちが再現したヒロイン像は、いかなる採点を下されるのか? 令和の時代も語り継いでいきたい平成の世に起きたミラクルを徹底検証!
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日本が世界に誇るアニメ作家といえば宮崎駿だが、代表作を小芝風花が演じた。14年公開の「魔女の宅急便」(東映)である。アイドル評論家の織田祐二氏が絶賛する。
「16歳で、映画デビュー作にして主役を張った。それはもう、心が洗われるみずみずしさでした。共演の宮沢りえや尾野真千子らベテラン陣に負けてない存在感です。アニメには及ばないとナメてかかってみると、痛い目にあう(笑)」
のんが能年玲奈を名乗っていた頃、映画での初主演作となったのが、紡木たく原作の「ホットロード」(14年、松竹)だ。再三の映像化依頼を断ってきた紡木氏がGOサインを出したのは、能年ならヒロイン・宮市和希を任せられると思ったからである。
「古いコミックをあえてやるところに意外性を感じました。原作のファンからは賛否両論で分かれましたが、彼女なりの味は出ていたと思います」(美少女研究家・高倉文紀氏)
興行収入が22億円を超えたのは、主演女優として及第点だろう。
すべての女性にとっての憧れである峰不二子を演じたのは、14年公開の「ルパン三世」(東宝)における黒木メイサ。
「よくグラドルの人が“リアル峰不二子”を名乗りますが、格が違うと思いました。ビジュアル重視だからスタイルの良さはもちろんですが、リアルに奔放な感じも出せていた」(前出・高倉氏)
女優引退の危機から大逆転したのが、「20世紀少年」(08~09年、東宝)でヒロインのカンナを演じた平愛梨。デビュー10年目を迎え、背水の陣で撮影に臨んだ。
「原作のファンも満場一致で彼女を認めた。女優としては間違いなく彼女の代表作」(前出・高倉氏)
アモーレへの第一歩となったのだ。ラストは昨年公開された「響 -HIBIKI-」(東宝)に主演した欅坂46の平手友梨奈だ。
「クールで孤高なヒロインといういい原作を持って来たと思います。彼女自身、この役ならやってみたいという意欲があったので、スクリーンデビューにぴったりだったのでしょう。編集者役の北川景子との対比も効いていました」(前出・高倉氏)
映画賞の新人賞を総ナメにした平手。そのカリスマ性は女優としても活きることを証明した格好だ。