今年の巨人は“異例尽くし”だ。阿部、小林、炭谷、大城の「捕手4人態勢」も驚きだが、4月19日の阪神戦からはベンチ内に投手コーチを2人置いている。
「リリーフ陣の防御率が良くないので、ブルペン担当だった水野雄仁コーチとバッテリー担当の相川亮二コーチを入れ換えました。もっとも、その後もリリーフ陣の不安定さは変わりませんでしたが」(スポーツ紙記者)
すべては、原辰徳監督の一存で決まった。一方で「渉外担当者がすでにクローサータイプの外国人投手を調査中」との情報も駆けめぐっている。いつから動いているのかと聞けば、「オープン戦途中」とのことだから、今日の救援投手陣の炎上も予想していたわけだ。
「クローザーを予定して獲得したクックに対し、一抹の不安を抱えていました」(前出・スポーツ紙記者)
こうした原監督のブルペン陣に対する評価を集めてみると、わざわざ担当コーチの配置換えをする必要はなさそうだが、こんな声も聞かれた。
「スタメン出場の機会がほとんどない阿部のことを考えての配置換えかもしれません。原監督が試合展開で阿部に質問をする形でコーチのような役割をさせ、将来の監督就任のための準備をさせておきたいのでは」(球界関係者)
また、原監督は日本ハム・栗山英樹監督とも連絡を取り合っているという。会話の詳細は不明だが、中継ぎ投手を先発させる「オープナー」について意見交換したそうだ。原監督は「アリだな…」と、この投手起用を認めていた。試合日程が変則となる交流戦の期間中、もしくは夏場の連戦で実験してもいいという。オープナーを成功させるポイントは、先発させた中継ぎ投手の“交代どき”だ。そのタイミングさえ間違わなければ、二番手となる先発投手の力量も存分に発揮させられる。
「今季は山口俊が好調で、菅野、高橋優貴、メルセデスもいます。彼らが3イニング目から登板したら、そのままゲームセットまで投げてくれそう」(前出・球界関係者)
救援投手を見てきたブルペン担当コーチをベンチに呼んだのは、オープナー采配に備えるためかもしれない。イマイチな中継ぎ投手もオープナー起用が復調のきっかけになるかもしれない。そう考えると、原監督による変則の特例野球はまだまだ続きそうだ。
(スポーツライター・飯山満)