NHK大河ドラマ「いだてん」の低調ぶりが止まらない。5月12日放送の第18話は視聴率8.7%に留まり、14週連続のひとケタを記録している。本作では初回放送の15.5%こそ前作の「西郷どん」の15.4%を僅差で上回ったものの、第2話以降は全敗の有様。しかも「西郷どん」のひとケタ視聴率は第37話の一回だけに過ぎず(それも9.9%)、「いだてん」の低調ぶりはあまりにも際立っているのである。
「この体たらくにさすがのNHKも、第7話終了時点という異例の早さでハイライト放送を投入しましたが、第8話は前週から0.2ポイント減に終わる始末。さらには主人公・金栗四三(中村勘九郎)の妻役を務める綾瀬はるかが行水で肌見せという艶シーンまで断行するも、やはり空振りに終わりました。そして現在は新キャラを投入するわけでなし、宮藤官九郎が手掛ける脚本を手直しするとの話もなく、もはやテコ入れさえあきらめたかのようです。まだ折り返し地点にさえ達していないのに、早くも白旗かとテレビ関係者を驚かせています」(テレビ誌ライター)
よもやNHKはこのまま、大河ドラマ58作目にして初となる〈シリーズ平均視聴率が10%割れ〉という現実を受け入れてしまうのだろうか。前出のテレビ誌ライターは、その可能性は小さくないと、こう指摘する。
「もはやNHKは主演の中村勘九郎と共に玉砕する覚悟かもしれません。低視聴率が続けば当然、戦犯探しが始まるわけですが、NHKとしては歌舞伎界を代表する名跡・中村屋の一員である勘九郎の顔に泥を塗るわけにはいかないのです。父親の中村勘三郎も99年に大河ドラマ『元禄繚乱』で主役を務めていますし、勘九郎親子のNHKへの貢献度は大きい。それゆえここで話題のタレントを入れてテコ入れを図ろうとでもしたら、低視聴率の原因は勘九郎にありと宣言するも同じですから、その愚を犯すわけにはいかないでしょう。その一方で脚本の宮藤官九郎も連続テレビ小説『あまちゃん』を大ヒットさせるなど、NHKとの蜜月関係はおなじみ。それゆえキャストを変えず、脚本もイジらず、低視聴率の原因を“ネット時代の必然”といった外部要因に求めることで、総括を図るのではないでしょうか」
この「いだてん」では目まぐるしい展開に高齢の視聴者がついてこられないとの評価も多いが、その点についても「新時代の大河を目指した実験的作品」と言い逃れることができるのかもしれない。
(金田麻有)