自分たちで起用しておきながら、なんたる言い草か。NHKの放送総局長が発した言葉に、視聴者からの呆れ声とブーイングが飛び交っているという。
12月18日の定例会見でNHKの木田幸紀放送総局長は、大河ドラマ史上でワースト視聴率に終わった「いだてん」について「見応えがあった」と評価していたが、それに続く言葉が炎上の元となったというのだ。
「本作の視聴率が大河史上初の一桁に低迷したのは、大河ドラマの定石を外しまくったクドカンこと宮藤官九郎の脚本にあるというのが定説となっています。その点を踏まえて放送総局長がクドカンに対して『もう一度、大河に挑戦していただけないか』とエールを送ったところまではいいのですが、その後に『その際には、もうちょっと分かりやすく描いていただければ』と注文。これには視聴者から、《そもそもクドカンに依頼したのはNHKのほうだろう》《そういう分かりづらい作品を作らせたんじゃないの?》との大ブーイングが続出したのも無理はありません」(テレビ誌ライター)
昨年12月19日の定例会見で木田総局長は、「いだてん」の初回放送分について「相当凝った構成にはなっている」と説明。その上で「(話が)行ったり来たりはしているんだけど、飽きることなく一気に楽しんで見せてくれる」と作品の特色を強調し、「1年間、素晴らしいドラマを展開してくれる予感をさせてくれた」と語っていた。
「これらの発言でも分かるように、NHK側も当初は『いだてん』の複雑で分かりづらい構成を称賛していました。それがいざ放送が終了したら『もうちょっと分かりやすく』では、前言撤回もここに極まれりです。しかも視聴率低迷の原因を局側の責任として総括せず、脚本のクドカンに押し付けたも同然ですから、視聴者はもちろんクドカンのファンからもブーイングを受けるのも当然。貴重な受信料を1話1億円と言われる莫大な制作コストにじゃぶじゃぶと注ぎ込んでいることへの反省は、微塵も感じられませんでしたね」(前出・テレビ誌ライター)
この調子では、クドカンからも「NHKをぶっ壊す!」と三下り半を叩きつけられないか、心配になりそうだ。(金田麻有)