いまや世間から「ワイドショーの着物のおじさん」として認知されている、落語家の立川志らく。8月13日放送の「ひるおび!」(TBS系)では、にわかに話題になっている“アンパンチ論争”について「アンパンマンを暴力的だと思い込んでいる親の教育からやり直したほうがいい」と、志らく流の直言を披露して話題を呼んでいる。
その志らくを巡っては落語家らしい独特の物言いや着眼点が評価される一方で、コメントの裏側に知識や教養の薄さが透けているとして、失笑の対象とされることも少なくないようだ。その批判は志らくの主戦場である演芸界でも吹き荒れているという。
「志らくのことを小ばかにしている急先鋒は、今、最もチケットが取れない講談師として人気の神田松之丞でしょう。自身のラジオ番組では、皮肉交じりに志らくを弄るネタが好評。その内容があまりにも的を射ているからなのか、爆笑問題の太田光がラジオ番組で公開説教をしたこともありました」(業界関係者)
昨年12月の「M-1グランプリ2018」にて志らくが審査員を務めた際に松之丞は、漫才やコントの経験があるとする志らくについて「あんなの別にさ、素人に毛の生えたようなやつじゃん」と酷評。さらに「それでM-1の審査の理由にするってところが超かっこいいと思って」と、ホメ殺しの形で志らくをコキ下ろしていた。
そんな松之丞の声に同調する演芸関係者も少なくないというが、それでも志らくの前途は明るいというのだ。
「お茶の間的には突如として登場したイメージですが、本業の落語では“独演会のチケットが取れない”人気者。だからコメンテーターとして酷評を浴びようが、本業への影響は少ないのです。そして薄っぺらいと評されるコメントについても、テレビ業界からは《ワイドショーの視聴者に受けるコメントを考え抜いている》と高評価。それこそ今回のアンパンチ論争にしても、一部の親を批判する尖った意見のように見えて、実は多くの親が志らくのコメントにうなずいており、お茶の間受けは悪くない。それゆえ戦略として、あえて薄っぺらさを演出している可能性もありえます」(前出・業界関係者)
はたして志らくは演芸界が批判するように薄っぺらいコメンテーターなのか、それとも計算づくなのか。師匠の故・立川談志はほくそ笑みながら、天国から見守っているのかもしれない。
(浦山信一)