中国勢が苦手──日本のエース、石川佳純がふたたびその“病”に陥ったようだ。しかも、今回は国内の“新たな難敵”が出現し、追い打ちを掛けている。
「世界ランキング5位、中国のリュウ・スーウェンと『ITTF-ATTUアジア卓球選手権大会』(9月22日決勝)で対戦したんですが、3-0のストレート負け。過去10回対戦し、一度も勝ったことがなく、今回もダメでした。今季前半、中国勢に、まったく勝てない時期もあり、ようやくそれを克服したと思ったら、また…」(テレビ局スポーツ部員)
リュウ・スーウェンを含めた中国勢対策は、東京五輪本番まで取り組むことになりそうだ。しかし、その前に「代表の座」も危うくなってきた。
「卓球の五輪代表は世界ランキングの国内上位2名が自動的に選ばれるシステムです。そして最後の3人目は国内連盟が協議して決めます」(前出・テレビ局スポーツ部員)
そんな中、国内に現れた“難敵”とは、代表を争うライバルたちだけではない。世界大会の付き添いも務めた石川佳純の妹、梨良がTリーグ入りしたのだ。石川と同じ「木下アビエル神奈川」に入団し、姉妹ダブルスでは息の合ったところも見せているが、ファンは「妹のほうがカワイイ!」と──。ここに、五輪代表に一縷の望みを抱く早田ひな、加藤美優の若手チームが挑んできた。石川はTリーグでしっかり勝って、国際試合に備えたいが、妹がスマッシュを決めるだけで盛り上がるという、今までにない声援も聞かれるようになった。そのため、試合でリズムを石川がヘンにリズムを失う時も出てきた。
「石川は伊藤美誠、平野美宇のように高速スマッシュを決めるタイプではなく、ボレーを続けながらできた相手のスペースにボールを打ち込むスタイル。リズムが重要なタイプです」(専門誌記者)
9月に発表された世界ランキングでは、伊藤、平野が順位を上げ、石川が落とした。国内は伊藤・12620ポイントで7位、8位は石川で12443ポイント。そして9位・平野が12140ポイントで石川を射程圏内におさめた。中国勢に苦しめられ、卓球の新アイドル候補・妹の出現。妹への「カワイイ」に石川はご機嫌斜めなようである。
(スポーツライター・飯山満)