秋吉久美子(65)、藤谷美和子(56)、沢尻エリカ(33)──芸能界で脈々と受け継がれる「タメ口女王」の裏歴史。その気難しい性格と個性的なキャラクターが魅力を放ったものだった。だが令和の「新タメ口女王」は一味違う。フランクな態度ながら、その愛らしさに、おじさんたちは一緒に仕事がしたくてしょうがないのだ!
「ライン モ・バ・イ・ル~♪」と歌いながらキレキレのダンスをCMで披露する、女優の本田翼(27)。見た目によらず、新タメ口女王の座に最も近い存在なのだ。芸能記者によれば、
「大御所が相手でも、基本的に敬語は使いません。14年に笑福亭鶴瓶(67)が司会を務める『A-Studio』(TBS系)に出演した時は、『旅行に興味ない、わかる?』『(ドラマの現場に)ねぇ~、なじみたいねぇ』などフレンドリーな発言を連発。鶴瓶から『友達やないからな』とツッコミを入れられていました」
それでも鶴瓶に怒る様子はなく、番組終盤には「翼は好かれる」と人間性を絶賛するのだった。鶴瓶の態度に、芸能評論家の織田祐二氏も「しかたない」と同意しながらこう話す。
「タメ口は使い方を間違えれば礼儀知らずと批判を浴びますが、あのキュートな瞳に見つめられ、フランクに話しかけられたら、おじさんはメロメロ。何でもOKって感じになっちゃいますよ」
実際、芸能界の本田ファンは鶴瓶だけではない。17年放送のドラマ「スーパーサラリーマン佐江内氏」(日本テレビ系)にゲスト出演すると、主演の堤真一(55)もあっという間にとりこになった。
「撮影が終わると『御飯食ったー?』と本田さんが声をかけて、『食べてないです』と堤さんがうれしそうに答えていました」(ドラマ関係者)
もはや芸歴すら超越する本田のタメ口は、テレビマンの間で「いざこざ」の原因になるほどだった。
「ドラマ班のベテランカメラマンは、自分のほうが『キレイに撮れる』と豪語。他の女優よりライティングに時間をかけて、本田をどう美しく撮るのか、お互いに対抗心を燃やしているんです」(ドラマ関係者)
オヤジを転がしまくっている本田に待ったをかけたのは、18年上半期のNHK朝ドラ「半分、青い。」で主演を務め、ブレイクした女優の永野芽郁(20)。過去にインタビューをした中年ライターが振り返る。
「挨拶もハキハキしていて礼儀正しく、最初は敬語なんです。質問に対しても一生懸命答えてくれるのですが、頭の中で考えているうちに素になってしまうのか、途中からずっとタメ口でした。全然悪意はなく、その無邪気さは毎度のようで、『永野さんにインタビューしたらファンになる』というのは、ライター界隈では定説です」
意外な趣味もオヤジ心をワシづかみにしていた。
「大型バイクのハーレーダビッドソンに憧れていて、まず中型免許を取得するほどのバイク好き。自動車など乗り物全般にも詳しいので、男性スタッフとは乗り物談議で盛り上がるんです」(ドラマ制作スタッフ)
タメ口でもオヤジの興味に乗ってくる。これぞ令和女優の奥の手かもしれない。