中日ドラゴンズの落合博満元監督と言えば、2003年シーズンオフに監督就任すると、派手な補強はせず、「各自の実力の10%アップで優勝できる」と自陣に言い放ったのは有名な話。有言実行とばかりに、その年にリーグ優勝を果たしたのだから、お見事としか言いようがないのだが、いったいどのように実力を引き上げたのだろうか。
2000年、ドラフト5位で中日に入団した鉄平氏が、YouTubeチャンネル「プロ野球OBクラブチャンネル」に出演(4月3日付投稿動画)。その秘密を明かした。
「とんでもない練習(量)でしたね」と、当時を振り返った鉄平氏。そもそも、レベルの高いプロの選手が、さらにレベルアップするのは、たとえ10%でも容易ではないという鉄平氏。しかし、「いやできる、練習量が足りないだけだ!」との落合監督のゲキを受け、「体ちぎれましたね…」と回顧するほど猛練習に打ち込んだのだとか。
その成果が顕著に表れたのが、“アライバコンビ”で名を馳せた、荒木雅博氏と井端弘和氏。両氏は特打ならぬ、“特守”の練習を、沖縄のキャンプで暗くなるまでひっきりなしに行っており、一方で鉄平氏も、全体練習が15時ころに終わると、日が沈むまで特打に励んでいたという。そして体が悲鳴を上げると、落合監督の狙い通り、「体に入れるべき力・入れなくていい力」の判別が自然とできるようになったのだと回顧した。
その鉄平氏は、06年に楽天へ移籍し、09年に首位打者を獲得。これは「10%のレベルアップ」がついに開花したタイトルだったのかもしれない。
(ユーチューブライター・所ひで)