現在、2度目の左腕骨折で欠場中のプロレスリング・ゼロワンの橋本大地(21)の父親は、言わずと知れた橋本真也だ。11年3月、亡き父の盟友・蝶野正洋戦でデビューした「破壊王子」は、あれから着々と経験を重ね、プロレス界再熱の鍵とされている。
──腕の具合は?
「順調に回復しています。去年の12月、最初に骨折したあと、体重が4カ月で12キロアップして、94キロになったんです。意識して増やしたのですが、これがクセモノで‥‥。試合をしながらつけた筋肉と違うから、すぐに息が上がってしまう。再び骨折した原因につながった感じですね」
──曙、高山善廣、長州力らビッグネームと対戦して、体の違いを実感した?
「はい、向かい合うと威圧感が凄くて、よけいにデカく見えるんです。これまで試合してきて、いちばん痛かったのが、武藤さんのムーンサルトプレス。体重が乗っていて強烈なんです。それと横綱(曙)のボディプレス。そういう技にも体力負けしないように、体を大きくしようとしたのですが、急ぎすぎました」
──藤波辰爾選手の長男・怜於南選手のデビューが近づいていますが。
「僕は『2世対決』を興業の目玉にしたいと思ってる。怜於南君だけでなく、父と『闘魂三銃士』を結成していた武藤敬司さん、蝶野正洋さんの息子さんにもデビューしてもらって、『キン肉マン2世』みたいな世界を作ってみたい」
──蝶野さんの長男は6歳で50キロあるらしいですね。
「一番の強敵になりますよ(笑)。もし仮に、2人がプロレスデビューすることがあれば、僕が今フィニッシュに使っている、シャイニングウィザード(武藤の必殺技)とSTF(蝶野の必殺技)を返したい。そして僕は、父親が使っていた垂直落下式DDTでフォールを取りにいきます」
──ブレーンバスターのような体勢で繰り出すDDTですよね。
「持ち上げられるようにはなったけど、まだ支えられないんです。あの技は膝と腰に相手の全体重がくるので、低重心で足腰がしっかりしてないとできない」
──大地選手にとって、最大のテーマは父親超えですよね。
「超さないと、いつまでも橋本真也の息子のままですから。最終的には、父親の巻いていたベルト・IWGPを取れる選手になりたい。僕は、父が亡くなってなければプロレス入りもなかった。でも今は、同じリングに立ってよかったと思っているんです」
──お父さんにプロレスを教えてもらいたかった?
「いえ、それは‥‥ハンパじゃなくやられそうなので。それだったら、料理の作り方を教えてほしかった。父の得意料理がつみれの入ったチャンコ鍋で、これが凄くおいしかった。もう1回食べたいんですけど、何でダシを取ったかわからない。料理方法を残していてほしかった。手作りのラーメン、豆腐、パンなんかも、おいしかったんですけど、そのレシピがないのがホントに残念なんです」