1971年に始まった「日活のロマン映画」は、88年に歴史の幕を閉じるまで1000本以上も公開され、男たちにとって極上のメディアとなった。ここから多くの人気ヒロインが誕生したが、元祖アイドルと呼ばれた原悦子は、当時の人気をこう語った。
「松田聖子さんのファンクラブが5000人を突破というニュースがあった時に、私の会員は76万人を超えていたんですよ。サイン会は日本武道館を使い、それでも入りきれない方々もいました」
耽美的なヒット作が数多い谷ナオミは、79年の引退後、熊本でスナックを経営していた。ところが、16年4月14日に起きた震度7の熊本地震では被害に見舞われたと谷は言う。
「マンションの壁にヒビが入って、部屋に入れなかったんです。ようやく6月10日に修復が終わるまで、2カ月も車の中で生活しました。今はもう部屋も、まわりの景色も元通りになっていますよ」
豪胆な女優らしい復元力であった。中山美穂と「毎度おさわがせします」(TBS系)で級友役で共演したかとうみゆきは、ロマン映画最後の年である88年に主演デビュー。
「今や巨匠となった金子修介監督や、お父さん役の大地康雄さんとも巡り合えたし、私はよかったと思っています。金子監督には『ロマンシリーズがまだ続いていれば、もっと大スターになれたのに』と残念がってくれました」
2月25日発売の「週刊アサヒ芸能」3月5日号では、ほかにも三崎奈美、田中真理、寺島まゆみ、小川美那子、水島裕子ら、次代を飾った美神たちの生の声を伝えている。郷愁とともに読み進められるはずだ。