人気の高まりに比例するように、タレントたちのもとには富が転がり込む。すると、“有名税”を徴収しようと、ワルが群がり始める。中には、本当に「騙されたのか?」という著名人まで現れて‥‥。本誌は有名人の生き血を吸う“極悪人”を一掃すべく立ち上がった!
振り返れば、多くの有名人たちが毒牙にかかり、巨額の資金を騙し取られている。本誌は、その被害総額を検証した! 性悪な人々に最もしゃぶり尽くされたのはいったい誰だ?
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去る5月13日、球界の“アニキ”の姿はさいたま地裁の法廷にあった。
「バカだったなと思う」
自身が被害にあった詐欺事件の公判で、証人として出廷した元阪神の金本知憲氏(45)はこう言って、唇をかみしめた。
この事件は、金本氏と家族ぐるみのつきあいのあった被告がボートレース団体への預託金や農地取得の名目で1億円以上を騙し取ったとされている。金本氏は証言で、起訴されなかった分を含めた真の“被害額”を8億円と明かした。
一部のスポーツ紙は「球界史上最悪の詐欺被害」と書きたてた。連続試合フルイニング出場の世界記録とは逆に、不名誉な記録まで更新してしまったのだ。
こんな被害にあうのも大物の証しとも言える。芸能界の大御所も過去に詐欺にあっている。
72年、北島三郎(76)はセカンドシングル「なみだ船」がミリオンセラーとなって大ヒット中だった。
「北島がテレビ局から帰宅すると、自宅前にパトカーが3台も止まって大騒ぎ。話を聞くと、家にいた奥さんに『オレだ、誘拐されて大変なことになっている。助かるために500万円必要だ。用意してくれ』という電話がかかってきていたのだそうです」(芸能記者)
ラーメンが100円という時代の500万円は相当な大金。危うく「オレオレ詐欺」の被害者第1号となるところだったが、当時26歳の北島は結婚を公表しておらず、これが契機となりバレてしまったという。
芸能界において、結婚はイメージ戦略上、大きな意味を持つ。なのに、結婚詐欺騒動も数多い。
五代目ミニスカポリスとして活躍した来栖あつこ(35)は07年、同棲中の年下俳優との金銭トラブルが持ち上がった。
「来栖が自分のブログに妙な書き込みをして、『自殺では?』と大きな波紋を広げた。生活費や家賃など、来栖が数百万円を払っていたそうです。結婚しようと言われて同棲を始めたわけですから、年下俳優の結婚詐欺と捉えていいでしょう」(芸能レポーター)
加藤夏希(27)も同様のスキャンダルに巻き込まれた。09年、マネジャーを務め、恋人としても交際していた男から3000万円もの横領被害にあったのだ。
「男から『月10万円ずつ定期預金したほうがいい』と言われて、加藤は通帳やキャッシュカードを預けていた。しかし男は口座を開かず、パチンコやキャバクラで豪遊していたんです。事務所を解雇された男は『加藤の写真をばらまく』とか『結婚詐欺で訴えることもできる』と逆ギレしてきたそうです」(芸能記者)
なかなか芸能界では、金本氏を超える被害額は見当たらない。しかし、ワールドワイドに見てみると、ズバ抜けたスケールの詐欺被害がある。03年、デヴィ夫人(73)は、なんと約146億円の詐欺被害にあったとして提訴している。
「これは、デヴィ夫人の夫であったインドネシアの故スカルノ大統領が軍事クーデターで失脚した時、保有していたジャカルタ市内の土地10ヘクタールの証書を詐欺集団によって書き換えられたとしてジャカルタ地裁に訴えたものです。しかし、デヴィ夫人は敗訴しているので‥‥」(社会部記者)
認められた被害額となると、やはり矢沢永吉(63)の35億円を超える存在は皆無であった。
「80年代後半にオーストラリアでのスタジオ・音楽学校用のビル建設を計画するも、部下2人が矢沢に無断で別の事業に投資して失敗。土地を担保として差し押さえられ売却された。その借金を矢沢が背負ったわけです。98年に発覚した際には、オーストラリア犯罪史上2番目の被害額と報じられました」(芸能記者)
それからわずか6年で借金を完済した矢沢だが、現在は都内に6つのスタジオがあるビルを保有。詐欺被害からの“成り上がり”ぶりからしても、NO1は間違いない。