民放キー局が朝のワイドショーで繰り広げる「視聴率バトル」。この春も絶好調なのは「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)だ。実に3年連続同時間帯でトップを走っている。
「ここ最近は、各局とも『コロナウイルス』一色で長く時間を割いています。内容も、ほば同じで特色を出すのは難しいのですが、『モーニングショー』は国立感染症研究所の元研究員で白鴎大学の岡田晴恵教授を連日のように起用。鋭い指摘が話題で、最高視聴率を記録する日もありました」(芸能デスク)
羽鳥慎一キャスターの高いアナウンス技術と対応力に加え、コメンテーターを務めるテレビ朝日社員・玉川徹氏との掛け合いも今や番組名物。盤石の体制にテレ朝上層部も安心かと思いきや、笑えぬ事情もあるという。
「視聴率は好調なのに、『モーニングショー』の広告収入はあまりよくないんです。『玉川発言』がネットニュースに取り上げられて話題になりますが、上から目線でたびたび物議を醸しているので、CMスポンサーになりたがる会社がなかなか出てこない。制作費もだいぶ削られ、スタッフは苦労しています」(テレ朝関係者)
一方、ライバルの「とくダネ!」(フジテレビ系)は昨年秋にリニューアル。曜日ごとのキャスターに俳優の石黒賢や芸人のカズレーザーらをそろえ追撃している。それでも目下の悩みは、現在72歳の小倉智昭の進退問題だとか。
「3月24日の放送で、東京五輪組織委員会の森喜朗会長の名前を『もりきろう』と読み間違え、衰えが心配されている。局内では、来年開催の東京五輪後に番組終了というのがもっぱらですが、『後継者』がいない」(フジ関係者)
同じく2位争いをする「スッキリ」(日本テレビ系)は、「吉本闇営業問題」でMCの加藤浩次が会社にモノ申し、一時、降板説が浮上していた。
「今年春の改編で降板が既定路線とみられていましたが、番組は好調をキープしているのに、降ろせば、『スッキリ』だけではなく、吉本のイメージダウンにつながる恐れもあり、流れたそうです」(前出・芸能デスク)
「一人負け」なのは、昨年秋にスタートした「グッとラック!」(TBS系)。MCに落語家の立川志らくを抜擢したが、スタートから平均視聴率2%台を記録し、つまづいた。
「最近は『文春砲』で志らくさんの奥さんの不貞疑惑が報じられ、番組での発言が注目を浴びた。局内では宣伝になったという声も聞かれ、何でもいいから波に乗ってくれれば…」(TBS関係者)
テコ入れするには早すぎるだけに、もはや頼りは自虐ネタだけか。