日本人の約3割が悩んでいると言われる頭痛。「怖い病気の前兆」と不安になる人も多いだろう。
頭痛は「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発性頭痛」「三叉神経痛(顔面神経痛)」といった、いわゆる「頭痛持ち」の「一次性頭痛」と、脳などに原因がある「二次性頭痛」に分類される。「片頭痛」は、頭の片方がズキズキと痛み、吐き気を伴うこともあり、患者の数も多い。「緊張型頭痛」は、頭の周りが締めつけられるような鈍い痛みを感じ、肩こりが発症する場合がある。これは精神的なストレスやパソコンの長時間使用が原因。「群発性頭痛」は、片目の奥に激痛が走る症状が1~2カ月の間に群発的に起こる。「三叉神経痛(顔面神経痛)」は、顔の片側に突然激痛が走る症状だ。
これらの「一次性頭痛」は、症状自体はかなりつらいものの、鎮痛剤で治まる場合は大きな問題とならない。
一方、「二次性頭痛」は、痛みの度合いが違っていたり、頻度などが増していく特徴がある。
「くも膜下出血」は、突然の激しい頭痛に加え、吐き気や嘔吐、めまいを伴うことも多い。軽度の場合は風邪と間違えられたり、CTでも診断がつかなかったりすることがあるが、重症の場合は生命に関わるため、「これまでにない激しい痛み」を感じた時には早急の対応が必要となる。
「脳出血」も「くも膜下出血」と同じく、強い頭痛を突然感じる。後遺症が残る可能性も高いため、特に高血圧の人は、日頃から治療・予防に努めることが重要だ。
症状として「突然の頭痛」「今まで経験したことがない激しい痛み」「これまでと違う痛み方」「頻度や程度が増していく頭痛」「50代以降に初めて起こった頭痛」「吐き気や嘔吐、発熱を伴う場合」「マヒや手足のしびれ、ロレツが回らない」などの症状を発症したら、放置せずに、すぐに医師の診察を受けたほうがいい。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。