新型コロナ禍で芸能界が未曾有の危機的状況に陥っている中、小泉今日子が度重なる政治的発言で注目を集めている。その真意を追おうと取材を進めたが、出てくるのは2年前に公表した「不貞愛」ばかり。それもますます濃厚さを増しているようなのだ。周囲もアキレる、男へのイレ上げぶりとは──。
突如として小泉今日子(54)が公式ツイッターを使って、権力に舌鋒鋭くかみつきだした。
4月に配布された「アベノマスク」に不具合が発覚するや〈(前略)汚らしい嘘や狡は絶対に許されない。カビだらけのマスクはその汚らしさを具現化したように見えて仕方がない〉と一刀両断。検察庁法改正案が話題になると〈#検察庁法改正案に抗議します〉のハッシュタグを付けた投稿を連投し、東京高検の黒川前検事長の賭けマージャン報道が出れば、任命責任者の安倍総理ともども猛攻撃。〈#さよなら安倍総理〉〈#赤木さんの再調査を求めます〉などと「森友学園」の国有地売却問題まで持ち出して政権批判を繰り広げているのだ。賛否両論が巻き起こる中、小泉を古くから知る芸能事務所のベテランマネージャーはこう真意を代弁する。
「一部では地元・厚木の反安倍勢力となる政治家に影響されての受け売りとも言われました。しかし彼女はたとえ波風が立っても、思ったことを口にしてしまう歯に衣着せぬタイプ。コロナ禍で芸能界の仲間たちが窮地に立たされる中、不可解な動きを見せる安倍政権に率直な思いのたけをぶつけているだけでしょう」
実際、映画と演劇、音楽の3業界団体が政府に対して文化・芸術に支援を求める統一要望書を提出した4月22日には、文化芸術復興基金の早期創設を目指すプロジェクトのオンラインイベントに出演。舞台が開演できない苦悩を制作者の立場で嘆いている。
ところで、小泉の過激発言といえば、今に始まったことではない。14年4月には「AERA」のインタビューで芸能界批判を口にして、波紋を広げている。
〈私みたいな事務所に入っている人間が言うのもなんだけど、日本の芸能界ってキャスティングとかが“政治的”だから広がらないものがありますよね。でも、この芸能界の悪しき因習もそろそろ崩壊するだろうという予感がします〉
と持論を展開したのである。
「当時の小泉の所属事務所社長といえば、芸能界屈指の実力者です。『私みたいな事務所に入っている人間』という発言は、そのことを理解したうえでの芸能界批判ということで、業界内もかなりざわつきました」(スポーツ紙芸能デスク)
一見すると、育ての親への反逆とも受け取られかねない大胆な発言だったが、芸能事務所ベテランマネージャーは言う。
「彼女と前所属事務所の社長は単なる経営者とタレントではなく、父娘、戦友のような強い信頼関係で結ばれています。小泉は見いだしてくれた社長への感謝や尊敬の念を抱きつつも媚びるようなことはなく、自身の主張や思いははっきりと口にする。社長も会社の黎明期を支えた小泉のそんなスタンスを認めていて、昔から自由にやらせています」
だから小泉の芸能界批判発言にも同社長は、まるで反抗期を迎えた愛娘に対するかのように「困ったものだ」と周囲に苦笑するのみで不問に付したという。
「社長は以前にも、小泉のCM撮影現場にひょっこりと顔を出して『何しに来たの? みんなが気を遣うから、早く帰りなさい!』と叱られたエピソードを周囲に話していた。信頼関係があるから、小泉から多少キツく当たられても慣れっこなのでしょう」(ベテランマネージャー)