800人にのぼる全観覧者が濃厚接触者に指定されるなど、新型コロナクラスターの震源地となった舞台「THE★JINRO-イケメン人狼アイドルは誰だ!!-」。6月30日~7月5日という日程を巡っては新型コロナ禍の中、時期尚早だったとの指摘もあるが、それより問題なのは今回の上演に至るまでの「経緯」にあるという。
「この舞台は当初、4月22~26日に東京・渋谷の劇場で上演予定でしたが、緊急事態宣言の発令に伴う劇場側の営業自粛により延期を決定。ところが間をおかず、4月17日には別の劇場で6月30日~7月5日に振替公演を行うと発表していたのです。それでもまた、6月10日には《会場規則により開催が困難》との理由から振替先の会場も使用できないことになり、今回、クラスターが発生した新宿シアターモリエールに会場を再変更していました。制作側の判断は、ここが断られれば次、といったふうに一刻も早い上演日程にこだわり続けたように見えます。事情もあるのでしょうが、その性急さにも首をかしげたくなりますね」(芸能ライター)
このような経緯もあってか、舞台でのクラスター発生には数多くの演劇関係者から<なんてことをしてくれた!><大迷惑だ>といった猛批判が殺到するのも当然だろう。そんな怒り心頭の演劇界に加えて、アイドル業界からも同舞台に対する苦言が多数あがっているという。
「今回の『THE★JINRO』ではイケメンアイドルグループ『Super Break Dawn』のメンバーも出演しており、新型コロナに感染。そして実はこのグループは、公演初日の直前といえる6月26日に名古屋でファンイベントを開催し、ファンと“濃厚接触”していたというのです。イベントではビニールシートを挟んでいたものの、チェキ撮影ではメンバーとファンの両方がマスクを外していたことも確認されています。そのような行動がクラスターを招いた恐れも否定できません」(アイドル誌ライター)
アイドル業界では一部でライブイベントを再開しているものの、新型コロナ対策には入念すぎるほどの対策を施している。例えば、対バンライブでは定員200名のホールに50人しか入れず、ソーシャルディスタンスを徹底。会場によってはステージの前に巨大なアクリル板などを設置し、ライブ中のアイドルと観客を完全に遮断しているという。
「もちろん特典会でもマスク着用を徹底しますし、握手などの直接接触は禁止。ファンのほうも“アイドルの灯を消すな”とばかり、厳しいルールを遵守しています。そんなアイドル業界から見れば、『THE★JINRO』で出演者が出待ちのファンと握手していたことや、出演アイドルがマスクなしでチェキ撮影していたことなど言語道断でしょう」(前出・アイドル誌ライター)
今回のクラスター発生が原因で、他の舞台やアイドルイベントに悪影響が及ばないことを祈るばかりだ。
(金田麻有)