日本で「アイドル第1号」となったのは、沖縄返還を前にした1971年にデビューした南沙織である。発掘した音楽プロデューサー・酒井政利氏が言う。
「ライバルの小柳ルミ子が『陸』で天地真理が『空』なら、南に『海』のイメージを持たせることでそれぞれの差別化を図りました」
来年はデビュー50周年にあたるが、酒井氏によれば「本人に復帰の意思はまったくありません」とのことである。
翌72年に、伝説のスカウト番組「スター誕生!」(日本テレビ系)の初代グランドチャンピオンとしてデビューしたのが森昌子だ。まだ中学生だったことから、桜田淳子や山口百恵が歌手を目指すきっかけになった。昨年12月25日、地元・宇都宮での公演を最後に引退したはずだったが─、
「今年2月から3月にかけ、昌子自身が『残業』と呼ぶコンサートが残っていたんです。引退発表以前から決まっていた『JAさいたま』主催の全16公演で、撤回はかなわなかった。結果的にコロナ禍で後半は中止に追い込まれたが、何とも商魂たくましい『引退ビジネス』ですね」(音楽記者)
18年には親しい竹内まりやのデビュー40周年に、ラジオで21年ぶりとなる肉声のコメントを寄せたのは河合奈保子だ。今年は自身が40周年を迎えるが、表舞台に返り咲く気配はなさそうである。
変わったところでは、誕生35周年となる「おニャン子クラブ」の初代リーダーだった福永恵規だ。現在はなんと、小泉今日子が設立した個人事務所「オフィス日新」の取締役となり、公報を中心に辣腕を振るっているという。
8月4日発売の「週刊アサヒ芸能」8月13日・20日合併号では、他にも戦後史を飾った女性芸能人の消息をたっぷりと特集している。戦後の流れが一目でわかるだろう。