沖氏が指摘するように、井川における最初の黄金期は「グラビア時代」だった。それは、芸能界デビューと重なっている。
99年に「東洋紡水着サマーキャンペーンガール」に抜擢されて本格的な活動を開始。翌年には「アサヒビールイメージガール」に選出される。日焼けした健康的な肌をさらし、ムチムチボディを披露した。だが、沖氏によると、
「本当に、井川が脚光を浴びることになったのは、01年に発売された写真集『月刊井川遥』(新潮社)以降のことです。健康的な水着カットではなく、温泉場でビショビショに濡れた艶っぽい写真が並び、ローアングルから接写したカットなど、肉感的な体型だったこともあって、余計に淫靡さを感じさせました」
以降、雑誌のグラビアを席巻。井川は「癒やし系」などと称されるようになるが、
「一部の男性にとって、井川は『癒やし系』ではなく『いやらし系』でした。というのは、あの唇のせいです。ポッテリと肉厚な上下の唇は、キレイな丸いフォルム。しかも、それを強調するかのように、各種グラビアで採用されるカットは、口を半開きにしたまま悩ましげな表情を浮かべた井川のオンパレード。オトコを奮い立たせる井川の色香は唇から発せられているんです」(沖氏)
グラビアでの余勢を駆って井川は女優業に進出。木村拓哉と明石家さんま、W主演のドラマ「空から降る一億の星」(フジテレビ系)など話題作に出演するも、なかなか当たり役には巡り合えなかった。
「その後も井川はドラマや映画、舞台と出ずっぱりの状態で演技力を磨いた。そして、次の黄金期を招き入れたのも、やはり唇のおかげでした」(沖氏)
転機となったのが、13年の初主演ドラマ「ガラスの家」(NHK)だという。
「再婚した夫とのすれ違いから義理の息子と家庭内不倫に走る人妻を演じたのですが、斎藤工との濡れ場が話題となりました。特にキスシーンでは、トゥルントゥルンの唇を濃厚に押し当て、その唇をヒクヒクさせながら、まるで絶頂に達したかのようなキスと評判になりました」(芸能記者)
その翌年、サントリー「角ハイボール」のイメージキャラクターに起用されると角瓶史上、最高の売り上げに貢献。過去、小雪(43)と菅野美穂(43)がイメージキャラに起用されているが、それよりも長い6年にわたって、務め上げているのもうなずける話なのだ。
「お酒ですから、グラスに唇をつけるイメージがあり、あの魅惑の唇を持つ井川にとっては、適役だったわけです。一方で、四十路に突入すると、井川の唇の形状が薄くなったと騒がれたこともありましたが、ポッテリ感は変わっていません」(沖氏)