テリー 売れない頃、やめないで続けてよかったね。
しゅはま そうですね。実は、やめてた時期もあるんですけど。いちばん最初にやめた時は、演劇よりも男を取りました(笑)。
テリー あ、そうなんだ。結婚したってこと?
しゅはま のちに結婚しましたね。23の時からつきあって、29で結婚して、33で離婚したんです。
テリー へぇ。どういう人だったの?
しゅはま 何だろう、馬券師って言うんですかね。馬券を買って、予想で食べていこうとしてた人でした。
テリー なんだ、それ。予想屋ってこと?
しゅはま いえ、予想屋さんていうと、予想を人に買ってもらうイメージじゃないですか。ではなく、自分1人のためにひたすら予想をして、馬券を買って、お金を得るっていうことを目指してる人でした。
テリー あぁ、パチプロの競馬版だ。狭い道を歩いてるなぁ。でも、まぁ何かわかる。魅力あるよな。
しゅはま はい、魅力を感じてしまいました。スポーツ新聞を毎日買って、読み込むっていうことを日課にしてた人でしたけど。
テリー そういう人とは、どこで知り合うの。
しゅはま 彼が映像の専門学校に通っていまして。監督ではなかったんですけど、卒業制作で作品を撮るっていう中のスタッフの1人だったんですよ。で、私が俳優として、「よかったら出演してください」っていうことで呼ばれて行きまして、知り合いました。
テリー 彼は監督じゃなくて何だったの?
しゅはま プロデューサーみたいな立場でした。
テリー でも、魅力があって結婚したわけでしょう。お金はどうしたの?
しゅはま 彼は予想で食べていくことをあきらめたみたいで、途中で就職しました。
テリー あ、えらいじゃん。
しゅはま でも、私はそれが嫌で離婚したんです。
テリー え、なんで?
しゅはま ずっと夢を追いかけている人でいてほしかったんですよ。
テリー あぁ。じゃあ、スポーツ新聞を毎日読み込んで、馬券を買ってたら離婚しなかったかもしれないんだ。
しゅはま そうですね、もしかしたら。実は彼、音楽もやりたいと言ってたので、馬券師としてよりもそっちを応援してたんですよ。でも、それもあきらめちゃったので、何か嫌だなって。
テリー へぇ。あなたもずいぶん変わった人だなぁ。「やめないで」とは言わなかったの?
しゅはま 一生懸命、お尻は叩いたんですよ。「なんで? やればいいじゃん」って。でも、彼はどうしても安定したかったらしく。
テリー だって、それはしゅはまさんのことを思ってのことでしょう。
しゅはま たぶん、そうだと思うんですけど。
テリー だよね。男として、キミを幸せにしなくちゃいけない。ミュージシャンも馬も不安定だもんね。それは、しゅはまさんのことを思ってだよ。
しゅはま でも、私が喜んでないんですから、意味なくないですか。
テリー う~ん、まぁ、そうだけどさ。じゃあ、もう離婚して10年以上たつでしょう。今は? 今もそういう男性が好きなの?
しゅはま そうですね。たぶんそうだと思います。