19年7月期に放送されたドラマ「ルパンの娘」(フジテレビ系)の続編が、この10月期に放送される。すでに映画化も決まっているとの噂もあるが、そもそもこのドラマ、続編が制作されるほど人気の高い作品だったのか。
「平均視聴率は7.1%で、第6話では最低の5.4%に落ち込むなど人気作とは言い難い数字に終わっていました。ただ、全11話中の9話でタイムシフト視聴率がリアルタイム視聴率を上回ったほか、配信での見逃し視聴はフジテレビドラマの新記録を作るなど、追っかけで観たという視聴者は結構いたようです」(テレビ誌ライター)
そんな同ドラマでは、主演の深田恭子が見せる艶ボディに見惚れる男性視聴者も少なくなかった。確かにカラダのラインが丸わかりになるボディスーツに、普通の衣装でも突き出す胸の迫力が目立ち、眼福シーンの連続だった。が、フジテレビが続編を制作した決め手は、決して男性受けの良さではなかったというのだ。
「木曜22時という深めの時間帯ながら『ルパンの娘』は小学生など子供たちに人気が高く、ファミリー層の受けが良かったのです。深田を擁する怪盗一家を巡るドタバタコメディぶりが子供にもわかりやすく、人と話せないオタク役の栗原類や、妙にハイテンションな母親役の小沢真珠、そして彼氏で警察官の瀬戸康史は深田のチョップであっさり白眼を剥いて失神するし、子供向けアニメの実写化と見まごうほどです。タイムシフト視聴率が高かったのも、翌日以降に子供たちと一緒に観るファミリー視聴者が多かった証でしょう」(前出・テレビ誌ライター)
そんな「子供ウケ要素」に加え、制作局のフジテレビにとっても同作には都合の良いポイントがあるという。
「出演者の顔ぶれとストーリーを見る限り、制作費がかなり抑えられているはず。父親役の渡部篤郎や警察官役の加藤諒といったキャスト陣は、インパクトはありつつもギャラは総じて控えめな人選に思えます。そしてロケ場所には結婚式場や公園など既存の施設を上手く使っており、瀬戸の実家は貸しスタジオを利用しているようで、とにかくコストを抑えているはず。こういったコスト削減では絵が安っぽくなりがちですが、本作では唐突なミュージカルシーンなど、奇抜な演出を織り込むことで、違和感を減らしていました」(前出・テレビ誌ライター)
子供受けがよく、制作費も安い。コロナ禍の影響に苦しむテレビ局にとって「ルパンの娘」は、大いに参考にされるべきドラマなのかもしれない。
(金田麻有)