ニッポンの夜明けぜよ! 幕府が終わりを告げた幕末・明治・大正、そして昭和も、大河ドラマは激動の日々を、そして女たちを描いてきた。
幕末を代表する人物といえば、土佐藩を脱藩して大政奉還の礎を築いた坂本龍馬であろう。北大路欣也が主演を飾った「竜馬がゆく」(68年)では、その妻・おりょうを浅丘ルリ子が演じている。
浅丘が貴重な艶シーンを見せたのは、それから3年後に公開された「告白的女優論」(71年、ATG)でのこと。女優たちの私生活とも演技とも知れぬ姿を描いた実験的な作品で、浅丘は峰岸徹とのカラミだけでなく、大女優らしからぬ「他人の性の営みを見て刺激された慰め行為」まで演じている。
それ以来、42年ぶりに龍馬を主役にした「龍馬伝」(10年)では、福山雅治と結ばれるりょうを真木よう子が演じた。実際のりょうは、龍馬の危機に生まれたままの姿で外に飛び出したとの逸話が残るが、真木の大胆さはそれどころではない。
初主演の「ベロニカは死ぬことにした」(06年、角川映画)は、真木の名を一躍、世に知らしめた意欲作。男を前にして、薄暗い部屋でみずから服を脱ぎ捨てる。ピアノにもたれかかり、秘芯に手をはわせ、G胸をダイナミックに揉み、快感に顔をゆがめていく。
その爆裂バストに大粒の汗がしたたる渾身の慰めシーンは、劇的な音楽演出も重なり、平成の秀逸な艶場面として名を残すほどだ。
幕末の英雄である西郷隆盛と大久保利通を主役に据えた「翔ぶが如く」(90年)では、隆盛(西田敏行)の後妻・いとを田中裕子がしっとりと演じた。田中もまたベッドシーンの多い女優ではあるが、インパクトで言えば「北斎漫画」(81年、松竹富士)が絶大。
田中は、絵師の北斎(緒形拳)の娘役で、創作に行き詰まった父のために脱いだ姿を描きたいかと問うと一糸まとわぬ姿になる。
映画は樋口可南子が大ダコとカラむ幻想的なシーンもあるが、老女となった田中は、滝沢馬琴役の西田敏行との「最期の夜枕」を迎える。西田が胸の先を吸ってもいいか問うと、
「たんと吸ってください」
そう答えた田中だが、その瞬間に“息絶える”のだった。
松坂慶子は日本の女優第1号の川上貞奴を演じて「春の波涛」(85年)の主演を務めた。また「西郷どん」(18年)では、西郷隆盛の母・満佐を演じたことも記憶に新しい。
そんな松坂は70年代から90年代にかけ、スクリーンで美しい肢体を見せつけた。日本映画史に残る「脱ぎ惜しみしない女優」だが、傑作を選ぶなら「道頓堀川」(82年、松竹)だろう。
当時、松坂との関係をささやかれた深作欣二監督作品だが、小料理屋の女将というのが役どころ。若い画学生(真田広之)と深い仲になり、手ほどきするように畳の上で交情する。
上になった真田にバストトップを吸われ喜悦の声を漏らすと、そこから横から、後ろからと、“濃い”カラミが3分以上も続いた。
対抗するのは、隆盛の「島妻」として2人の子を宿す愛加那役の二階堂ふみだ。このところ、ベッドシーンが、フルオープンの状態となっているが、分岐点となったのが「この国の空」(15年、ファントム・フィルム)だった。
太平洋戦争を舞台に、二階堂は隣に越してきた男(長谷川博己)と道ならぬ恋に落ちる。初めて男を迎え入れた場面では畳が血で染まり、それを濡れタオルで拭くシーンが鮮烈。凹凸のくっきりしたボディも堪能できるのである。