テリー 主役の俳優さんが台本を持たないで現場に来ると、周りのみんなも持てないもんですか。
師岡 はい、持たないですね、誰も。
テリー エエッ。テーブルの下に台本を隠して見てるとかは?
師岡 私の現場では、なかったですね。監督は「見ていいですよ」と言うんですよ。でも、誰も見なかったですね。意地なのか何なのか。
テリー 「カンペ用意しといてくれ」っていうのは?
師岡 そういう人もいなかったですね。
テリー 丹波哲郎さんだったら、全部にカンペ置いてくれって言うでしょう。あの方は、歩くたびにカンペがあったという(笑)。
師岡 そうですね(笑)。でもカンペがあると、逆にやりづらいと思います。見なくちゃいけないから、どうしても読んでいる感じになってしまいますし。やっぱり覚えないと、感情的にはなれないんです。
テリー 堺さんと香川(照之)さんの対立シーンがあるじゃないですか。ああいう時は、本番が始まる前も距離感があるんですか。
師岡 いや、そういうのは全然なかった。うちの現場ですと、大阪西支店ですから、支店長役の石丸幹二さんとか、副支店長役の宮川一朗太さんとかは半沢にワーッと言う役ですが、みんな仲よくしていて。宮川さんは「じゃ、今からイヤらしい副支店長、僕やるからね」とか、冗談を言いながらやってましたね。
テリー 高視聴率だって伝わると、現場でも意気が上がってくるものですか。
師岡 上がりますね。今までずっと、朝早くから夜遅くまでやってきた苦労が報われた感じで。
テリー 今年最高のヒットですもんね。
師岡 ありがたいです。そういう作品に携われて、たいへんラッキーでした。
テリー 「家政婦のミタ」って、視聴率はいくつまで行ったんでしたっけ。
師岡 40%まで行ったんでしょう。
テリー 40%! 出演者の皆さんに、金一封は出たんですか。
師岡 いや、今のところはないですけど(笑)。それよりも、続編を期待したいですね。
テリー その可能性はあるんじゃないですか。
師岡 撮影の打ち上げで「スピンオフをぜひ考えてください」ってプロデューサーさんに言ったんだけど、困った顔をしてましたね(笑)。
テリー 「ミタ」と違って「半沢」は正義がテーマだから、続編もいけますよ。