広島が借金を抱えたまま、まさかの日本シリーズ出場という「倍返し下剋上」の可能性はどれほどあるのかについて、前出のデスクはこう分析する。
「ファーストステージの阪神戦は、絶対的エース・前田健太(25)、バリントン(32)、野村祐輔(24)、大竹寛(30)と強力先発陣がそろっているうえ、守備力はリーグトップクラス。マエケンの阪神戦防御率は0点台で、完全なカモにしています。打線ではキラ(29)、エルドレッド(33)の大砲も復調してきた。今季の対戦成績も五分に近く、連勝する可能性は十分あります。続く巨人戦はファーストステージを勝った勢いもあり、ロースコアの戦いに持ち込めば勝機は出てくるでしょう」
シナリオどおりにコトが進めば、大激論が噴出することは必至。それならばと、落合氏は皮肉交じりに先の講演会で一つの提案をしていた。
「どうせやるなら2球団にすれば、と。3球団というのはちょっと無理があるんじゃないか。それでもオレは反対してたんだ。日本シリーズの意味合いがなくなるから。お互いにセ・リーグ、パ・リーグのチャンピオン同士がやって初めて日本シリーズだろう。だって1位のところに負けて、2位のところにも3位のところにも負けた監督って俺だけだからね。こういう現象ってあっちゃいけないんだけども、そういうルールを作ったからしょうがない。だから皆さんに一つだけお願いします。今年どのチームが3位になるかわかりませんが、2位、1位のチームを破って、パ・リーグのチームも破った時には、心の底から『お前らよく頑張った。偉い!』とほめてやってください」
そして、前出・飯山氏は「個人的な意見ですが」と前置きして、現実的な改革案を示すのだ。
「3位球団が勝率5割を切ったら、ファーストステージ消滅、というものです。2位と優勝球団だけでCSをやる。セ・パ6球団でやっているのに、盛り上がりに欠けるのはお前らのせいだ、と。そうやって反省を促すことで事態が好転するかもしれません」
だが、そんな建設的な意見にも、現実は冷たい目線を投げかけている。
「CSはそう簡単になくならないどころか、試合数を増やそうという動きすらある。ファーストステージを5試合にしよう、との意見が昨年から出ているのです。ポストシーズンが重要視されるメジャー式の発想ですよ」(前出・遊軍記者)
広島のCS制覇というまさかの結末が出た時、野球ファンはどう考えるのか。球界はそこに耳を傾けるべきだろう。