10月16日に上映をスタートした『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が絶好調だ。公開初週の週末興行成績(興行通信社発表)では土日の2日間で観客動員251万人、興行収入33億5400万円をマーク。従来の記録に比べて約2倍の実績という“歴史的記録”となっている。
劇場に足を運んだ人の評価も上々で、相当に満足度の高い作品となっている同作品。その一方で、一部からは意外な声が聞こえてくるというのだ。コミックス全巻をそろえているという鬼滅ファンのテレビ誌ライターが言う。
「主要キャラの我妻善逸が登場するシーンに《どうにも気になってしまう》との声があがっているというのです。どうやら善逸のキャラクターボイスを担当する人気声優の下野紘が頭にちらついてしまい、善逸のセリフに集中しづらいのだとか。もちろん下野の演技力は折り紙付きですし、本人にはなんら責任のない話なのですが…」
芸歴20年の下野はアニメファンに相当な知名度を誇り、この8月には歌手としての1stアルバムも発表している人気者だ。ただ、声優に特段の興味を持たない一般層では下野の顔を知らない人がほとんどで、普通なら下野の顔が脳裏にチラつくことなどなさそうだが─。
「実は、下野は10月11日放送の『逃走中~ハンターと鋼鉄の魔神~』(フジテレビ系)に出演。共演の女性YouTuberから善逸の声をやってほしいと無茶振りされるも、快く演じてみせたシーンが話題になりました。そのため一般層にも下野のルックスが記憶されるようになり、劇場版『鬼滅の刃』を観ている際に《善逸の声ってあの人なんだよなあ》と思い出してしまうようです」(前出・テレビ誌ライター)
ただ、最近は声優のテレビ進出は珍しくないはず。それこそ「鬼滅の刃」でも、主要キャラである竈門禰豆子(かまどねずこ)のキャラクターボイスを担当する人気声優の鬼頭明里が9月7日放送の「しゃべくり007」(日本テレビ系)に出演し、話題となったものだ。しかし禰豆子の登場シーンで<鬼頭の顔がちらつく>といった声は出てこないようだが、これはいったいどういうことか。
「これは2人が出演した番組の違いによるものでしょう。鬼頭はスタジオ収録のトークバラエティだったので、女性らしさにあふれる可愛い衣装を着こなしていました。それに対して下野は『逃走中』でおなじみのヘッドバンドに肘あてやタイツといったスポーティーな一式を着用。しかもシャツやショーパンは善逸のイメージカラーに合わせた黄色×オレンジという派手な配色だったので、視聴者には《逃走中に出ていた派手なカラーの人》として覚えられてしまったのです。これが鬼頭と同様、トークバラエティへの出演だったら、衣装や配色といった情報が視聴者にインプットされることもなかったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
これから劇場版「鬼滅の刃」を見る「逃走中」の視聴者は逃走中のイメージが、あまり頭に残ったままにしておかないよう気を付けておくといいのかもしれない。
(金田麻有)