1980年代、昭和終盤の「巨人─阪神戦」を彩った巨人の江川卓氏と阪神の掛布雅之氏。同い年でもある両雄、まさにエースと4番のライバル対決に胸を熱くされ、テレビで観戦していたものだ。両氏の通算対戦成績は、167打数48安打で打率287、14本塁打21三振33打点であった。本塁打数は山本浩司氏と並び、掛布氏は江川氏の最多被本塁打者なのだが、どうやら両氏の間にはファンに知らせれざる密約があったようだ…。
熱狂的な阪神ファンでも知られるお笑いタレント・松村邦洋のYouTubeチャンネル「松村邦洋のタメにならないチャンネル」に掛布氏が出演、10月29日に〈【コラボ掛布特別編】ついに、球史に残るライバル江川卓について語る!そして、掛布雅之がホームランの打ち方を大公開!!〉とタイトルをつけ投稿された回を観てみると、「お前と俺の勝負が1球で決着ついたらファンは白けるよね。何球か投げてから勝負しよう。じゃあ俺、1球目見逃す…」といったような話が両氏の間でなされていたと明かす掛布氏。「彼とは嘘のない、本当にいい勝負をさせてもらいました」と振り返り、江川氏との対戦は「野球人生に収穫」と語りつつ、「江川の存在に感謝しないといけないですよね」と最大の賛辞を送った。
何球か見てからの勝負になれば、当然、打者に分があるだろう。勝ち、負けだけにこだわらぬ、ファンを喜ばせようとの、まさに江川氏のエンターテイメントの精神があったればこその名勝負であったことが分かった。今後、ぜひ江川氏も招き、掛布氏との舌戦も期待したいものだ。(ユーチューブライター・所ひで)