黒髪ロングヘアに、前髪の下でキラキラと輝く猫のような印象的な瞳。90年代初期、テレビCMやグラビアで際立った「美少女アイドル」といえば、千葉麗子(45)の代名詞だった。当時は「実は苦労した」というCM撮影の裏話を明かす。
92年、17歳だった千葉はスーパー戦隊シリーズ「恐竜戦隊ジュウレンジャー」(テレビ朝日系)にメイ/プテラレンジャー役で出演。明るく可憐なお姫様役が戦隊ファンの目を引き、人気を博した。
「1年間の『ジュウレンジャー』放映終了後の93年、大正製薬の目薬『アイリスCL-1』のCM撮影に入りました。でも実は私、小さい頃からずーっと目がよくて、今でも視力1.5はあるんです。だからそれまで、自分で目薬をさしたことがなかったんです」
ほぼ初体験の目薬をこの日、1日かけてさしまくったのだという。
「天を仰いで左目に自分で目薬をさすのですが、なにせ慣れていないのでうまく入らなくて‥‥。OKの声がかかるまで、50回ぐらいは確実にさし続けました(笑)。今思えばさしたことにしてCGでどうにかする手もあるのでしょうが、90年代初期にそんな発想はなかったんでしょうね」
「今でも動画サイト上に残る当時のCMを自分で見て左目だけウルウルしすぎていません?(笑)」と言うほど、高校生ながらプロ意識を見せつけていた。さらにそのあと、難関が待ち受けていた。CMの最後に放つ印象的な決めゼリフ「う~るるん」だ。
「このセリフは、撮影中にプロデューサーが『じゃあ、う~るるんって言ってみようか』とその場のノリで決めた覚えがあります。これを50回ほどさしたあとに、ニッコリと笑顔で言わなければならなくて、それが難しかったですね」
みごと笑顔で乗り切った千葉に待っていたのは、CMオファーの嵐。同時期に日清食品「日清焼そばU.F.O.」のほか、ネスレ日本、SNK、カルビーなど多くのCMに出演。バラエティー番組で「噂のCM美女」として取り上げられたこともあった。
一方で、いち早くファンとの交流をネット上で行っていたことで「電脳アイドル」とも呼ばれていたが、
「いわゆるパソコン通信です。BBSに『今日はこれから撮影だよ』などと書き込み、ファンの方々とやり取りを楽しんでいました」
仕事に加え、ファンとの交流に多忙を極めた高校時代。通っていたのは、木村拓哉や中居正広も在籍した代々木高校だった。
「私ははしのえみちゃんと仲よしで、放課後に学校近くの喫茶店に寄り、アップルパイを食べながらおしゃべりしたり、普通の青春も謳歌していましたね」
現在は10代から過ごした東京を離れ、福岡県・糸島に移住し、充実した毎日を送る。
「最近はネット放送チャンネル『文化人放送局』にレギュラー出演しています。東京に住まなくても番組が持てたり、いい時代ですよね」
今も変わらぬ「う~るるん」な瞳をチェック!