人々の暮らしに古くから寄り添ってきた「牛」が2021年の干支である。丑年生まれの女優たちは、どんな映画で男たちを喜ばせてきたのか──。まず、1961年(昭和36年)生まれで、今年還暦を迎える世代には斉藤慶子がいる。
「三十路になってから魅力がさらに増しましたが、決定打として挑んだのが『東雲楼 女の乱』(94年、東映)です。舞台が熊本の大遊郭で、まるで熊大出身の斉藤のためにあるような設定」(映画ライター・松井修氏)
それまでのアイドル女優のイメージを打ち破り、恋人役の風間トオルとの逢引シーンでは、男の股の間に手を伸ばすという驚きのシーンもあったという。
オイルショックが始まった1973年(昭和48年)生まれには、宮沢りえがいる。写真集「Santa Fe」以来の思わぬ至宝映画が、05年公開の「阿修羅城の瞳」(松竹)だ。宮沢は「くノ一のつばき」に扮し、鬼退治の男・病葉出門(市川染五郎)と出会ってしまう。市川にとらえられ、激しく抱かれると宮沢の純白の肌が上気する。あわやバストトップまで見えそうになるシーンは、息をのむ美しさであった。ほかにも篠原涼子や深津絵里なども、この世代で覚悟の場面を見せた女優たちだ。
そして日航機墜落事故や阪神タイガースの21年の優勝が記憶される1985年(昭和60年)生まれは、蒼井優がいる。映画評論家・秋本鉄二氏が解説。
「20年に公開された『ロマンスドール』(KADOKAWA)では、夫役の高橋一生とのかなり激しい情愛シーンがあります」(映画評論家・秋本鉄次氏)
秋本氏によれば、高橋が言う“好色な奥さんだった”という意味のセリフが「ハマる交わりを見せてくました」とのことだ。
1月12日発売の「週刊アサヒ芸能」1月21日号では、ほかにも「丑年に公開された名作」を含め、“干支気分”にふさわしいガイドを展開してくれている。