「新聞紙上でいろんな名前が出てますよね。彼らとは何の接触も持っていない。来季契約を結ばないコーチ、新しくコーチが決まっていると、オレがまだ何も動いていないものが何で新聞に載るのかな。デカデカと十何人も出ましたけど、まだ決定事項じゃありませんから。あくまでも球団の社長、代表が彼らと会って、来年は契約する、しないと通達するわけです」
スポーツ紙などでは、一軍と二軍合わせて13人ものコーチの退団が報じられた。前出・デスクが言う。
「落合氏は『フロント、コーチを全部白紙にして根本的に見直す』と言っているそうですが、一連の解雇は全てが必ずしも落合氏の命によるものではない。二軍首脳陣やあまり評判のよくなかった井上一樹打撃コーチを辞めさせることは、早い段階から決まっていた方針でした。ただ、クビになったコーチでも、配置転換含みで再契約することはある。早川和夫前二軍育成コーチなどは落合政権にもいて、高く評価されているといいますから、別の役職で戻る可能性はありますね」
さて、講演の後半には落合政権下でヘッドコーチを担った森繁和氏がゲストとして登場。笑い満載、絶妙の掛け合いが展開された。
落合 「ま、でも中日、何とかしてくれよな。今ここで初めて、お前にヘッドコーチ要請するからな」
森 「(落合氏が全国で)こんな講演をしている間に『ちょっと用意はしとけよ』とチラッと言われたことがあったんで、ホントにヤル気があるんだなという感じで見てましたから」
なんと、GMとしての「初仕事」を、1500人の聴衆の前でやってみせたのだ。
落合 「お前、(背番号は前回同様)80番でいいんだな」
森 「(落合監督が着けていた)66以外なら何でもいいです」
落合 「じゃ森繁、ここで80番決定。公開で口説いてるようなもんですからね。入団交渉してるようなもの。今日の話、皆さんが証人ですから」
落合氏は新監督の任期について、こう言及した。
「最低4年から5年はやりますからね。よその監督ってのはみんな1、2年やってダメだからとすぐ代えるでしょ。これだとチームも落ち着かないし。そこで結果を見ながら、よければ続ければいいだろうし、ダメだったらそのあと考えればいいということなんです」
そしてヘッドコーチ就任要請を「公開快諾」した森氏に「ナゴヤドームで30個、貯金を作れよ」と「GM命令」を発令──。
講演翌日、落合GM、谷繁兼任監督、森ヘッドコーチは秋季練習を視察。早くも新体制が始動した。