一般の女性を拉致して慰安婦にしたことは、朝鮮人に関して「ない」と言われていました。なのにペテン師というか、虚言癖のある吉田氏が、ありもしない話を本にして、それ以来、強制的に拉致されたと言われるようになったのです。
従軍慰安婦を“性奴隷”と最初に表現したのは、作家の吉田清治氏。77年、『朝鮮人慰安婦と日本人』(新人物往来社)という著書で、戦時中に日本軍人が朝鮮人女性を強制連行して慰安婦にしたことを本人から聞き、発表。のちに全てが創作であることがわかり、本人も認めた。
外国と戦争をして、敵国の女性を拉致して売春婦にする例はあります。日本人も敗戦後は、ソ連兵に何万人も強姦されています。ただ、ここで踏まえておかなければいけないのは、当時、日本は朝鮮を併合して植民地化していたことです。「朝鮮人」というのは岩手人とか、九州人とか、一種の県人名のようになり、敵国どころか日本人だったのです。日本国民として選挙権があり、朝鮮人で陸軍中将や、国会議員になった方もいます。形式的とはいえ、同じ日本人女性に銃剣を突きつけて、強制で慰安婦にするなんて考えられません。しっかりとした歴史知識があれば、強制連行がなかったという問題に対して、すぐに反論できることです。
産経新聞の記事で、出身地や生年月日などがはっきりしないというのは、ウソというより、戦前の一般的な娼婦の人たちの多くが文字を読み書きして、理解できる人が少なかったということです。当然、記述も曖昧になってきます。
このスクープの重要なところは、日本政府がどのように調査して、内部的にどう合議していたのかが、わかったことです。「河野談話」は崩れたので、今後日本政府は、否定するべきでしょう。感情論ではなく、実証論として取り組むべきです。
慰安婦の中には運がよくて、将校より給料がよかった人もいます。だからといって、羨ましいとなるわけじゃない。貧困や、親の借金で売られたりした背景があるのです。
加えて、戦地で払われているお金は軍票という臨時貨幣みたいなもので、戦争が終わったら、紙切れになってしまった慰安婦も多く、誰しもが儲かった仕事だったわけではなかった。ここを強調しておかなければ、日本におけるヘイトスピーチと同じことになります。慰安婦が楽な仕事ではなかったことをしっかりと認識せず、彼女たちを侮辱して自国の立場を主張するのは、両国間の関係をおぞましくするだけです。