元衆院議員の宮崎謙介氏が足掛け5年の議員生活の経験をもとに、政治家ウオッチングやオフレコ話、政治にまつわる話を適度な塩梅で、わかりやすく「濃口政治評論家」として直言!
「女性を会議に入れると話が長くなる」という森発言から、各競技団体の全理事に占める女性の割合が低い社会があぶり出されました。理事だけではありません。大手企業における女性代表も割合的には少なければ、女性議員だってそう。
とりわけ日本は、政治分野での男女平等が遅れている国。スウェーデンでは約半数が女性の国会議員だというし、フランスのクオータ制による女性の政治参画への取組みは画期的。
日本にも様々な有名女性議員はおりますが、少ない上に、どこか鉄の女っぽいというか、モンスター級というか。こんな発言をすると、きっとまた女性差別だの、女性蔑視とか追及されるかもしれませんが。
田中眞紀子さんには一度、お会いしてみたかったですね。田中さんは、ちょうど僕の政界入りとすれ違いでした。
「伝説の女性議員ですよね。お会いしてみたかった」
という気持ちを某現役大物議員に漏らしたところ、
「田中君はクセがあってね。同期会で会費を払わないんだよ。うちはそういうのを払いません、と言って。何のこだわりなのかね」
と渋い顔をされました。それ以来、会合には誘ってないということですが、嫌いなのかな。まぁ、眞紀子氏と他の議員の確執は、会費のこと以上にもっと多くの問題があったように見受けられます。やっぱり鉄の女なので、どこか敬遠されてしまうのでしょう。
そもそも、なぜ一般の女性が政界に立候補しないのか。そこで森会長の発言へと戻るわけですが、日本にはそうしたおじさんがゴロゴロいます。「うちの嫁は話が長くて」「女性同士って難しい」という風潮が根強く残っている部分も多いし、政治は男のもの、という雰囲気もあります。
僕はクオータ制度は否定派で、男女を数で合わせるという形から入ると「政治をやらされている感の女性」も増えると思うんです。選挙に通ることばっかり考えて何もやってない(ように見える)蓮舫さんみたいになったら元も子もないし、もっと能力が高い女性が政治に関わる仕組みを作らないといけない。
そんな中、何度かこの連載で登場しております牧島かれん議員が、第51代目にして自民党初の女性青年局長に就任したことこそ、歴史的な第一歩なのではないでしょうか。「鉄の女」のイメージがない牧島議員が今後、どれほど優秀な女性議員たちを吸引していくのかが楽しみです。
総務省はフルサポートして下さいね。まずは簡単に選挙に出馬できる要項を出し、書類も簡単に作成でき、供託金融資制度を設けて、誰もが参加できるようにすること。選挙にはお金をかけなくてもいいんです。嫁の金子だって地方議員からスタートして、初出馬では200万円ほどしか使っていません。胡散臭い選挙サポート会社には依頼しない方がいいです。供託金もポスター代も戻ってきますから。
今回の森発言は案外、日本を変えるきっかけになるかもしれません。でも正直、僕が地元回りで感じたことは、おじさんの方が話は長い。特にお酒を飲んだ時のおじさんの話、長すぎ。同じ話をヘビーローテーションですから。その武勇伝、何回目!?…みたいな。僕も気を付けます。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ):1981年生まれ、東京出身。早稲田大学を卒業後、日本生命などを経て、12年に衆議院議員に。16年に辞職し、経営コンサルタントや「サンデー・ジャポン」(TBS系)などに出演。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)ではレギュラーMCを務める。