フェブラリーSに続く春のGI戦第2弾、高松宮記念が今週のメインとして行われる。
古豪、新顔ない交ぜ、顔ぶれはなかなか。荒れたり堅かったり馬券的には掴みづらいものの、これだけの好メンバーなら見ていて損はなく、熱のこもった激しいレースが展開されること請け合いだ。
大きな肩書がない馬が多いだけに、レベルは高いのに予断は許されない。どう転ぶか読み切れないところがおもしろく、馬券的にも興味が尽きない一戦であることは確か。
人気は、ここを目標に満を持しているダノンファンタジー、インディチャンプと思われるが、前哨戦を制したシヴァージ(シルクロードS)、レシステンシア(阪急杯)なども差はなく、伏兵陣も多彩。とにもかくにも難解である。だからこそ一筋縄では収まりそうにないのだ。
まずはデータを見てみよう。03年に馬単が導入されて以降、これまでの18年間、その馬単での万馬券は6回(馬連は3回)。この間、1番人気馬は4勝(2着2回)、2番人気馬は3勝(2着6回)。1、2番人気馬同士のワンツー決着は3回ということで、確たる傾向はないようにも見える。
ただ、これからピークを迎える生きのいい4歳馬より、充実ぶりが目覚ましい5歳馬の活躍が顕著。なにしろ10勝、2着7回というすごさなのだ。また、6歳以上馬の活躍も目立っており2勝、2着8回と、よく連対を果たしていることは、頭に入れておいた方がいい。
5歳馬に目を向けてみるとダノンファンタジーを筆頭としてミッキーブリランテなど、なかなか。チャンスは十分とみられるが、穴党として最も狙ってみたいのは、データでは分が悪い4歳馬のラウダシオンだ。
前走のシルクロードSは3着。しかしこのレースは、マイルCS15着惨敗後、ひと息入って2カ月ぶりの実戦だった。ややスムーズさを欠く場面が何度かあったことを思うと、上々の走りで、力の確かさを見せつけた。
使われたことで、この中間は順調そのものだった。落ち着き払って実にいい雰囲気にある。1週前の追い切りは文句なし。栗東Cコースで抜群の動きを披露していた。
手綱を取ったデムーロ騎手が「追ってから反動が鋭く、思いどおりの稽古ができた」と言えば、見守った斉藤崇調教師も「前走以上」と納得の表情。芝1600メートルのNHKマイルCを制したGIウィナーだが、6ハロン戦への対応力も十分。「今ならマイルより短距離の方がいい」と、厩舎関係者は口をそろえる。
一族にキュヴェ(フューチュリティS)、オリンピオ(ハリウッドダービー)など、北米での活躍馬が多数いる血筋。道悪実績があり、左回りもスムーズ。チャンスは十分あるとみた。
穴は、アストラエンブレムだ。前走のオーシャンSで9着に敗れたことで評価は下がったが、軽視は断じて禁物である。
「体が増えていい雰囲気だった」と、小島茂調教師は振り返っているが、前々走と比べて10キロ増の体重で、3カ月ぶりの実戦だったことを思うと、やはり多少、余裕残しの状態だったとみるべきだ。
この中間は順調そのもので「年齢(8歳)的な衰えはまったく感じられない。上積みもある」と、小島茂師はヤル気をにじませる。
母はGI勝ち馬でもあり、初の1200メートル戦となった前々走のラピスラズリSで一気の差し切り勝ちを演じた馬。やや重までなら一発があっていい。