【「川崎記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人】
◎郡司浩平/○清水裕友/▲新山響平/△北津留翼/佐藤慎太郎/佐々木雄一/渡部哲男/河端朋之/古性優作/鈴木竜士/山崎賢人/松井宏佑
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戦法にかかわらず、強引さを身につけているのがトップクラスの選手である。ナイターで行われる「川崎記念」(4月8日【木】~11日【日】)は、GII松阪ウィナーズCの覇者・清水裕友、準優勝の古性優作に、郡司浩平(5着)が参戦する。さらに、この3人に挑戦状を叩きつける機動型と、差し脚鋭い追い込みタイプがチャンスをうかがう。2月の全日本選抜にも負けない白熱の4日間になりそうだ。ホームバンクでは無類の強さを発揮する昨年の覇者、郡司が断然の本命。松井宏佑の後位から番手まくりで連覇濃厚とみた。
対抗は清水。自力も覚悟しなければならない分、割り引いたが、仕掛けしだいで逆転がある。あとは、北日本ラインで佐藤慎太郎─佐々木雄一が援護する新山響平の逃げ切りと、北津留翼のまくりが決まれば好配当は必至だ。
かつての勢いに欠ける近畿で古性が健闘している。昨年11月の競輪祭(6着)前後から好調を維持し、3月大垣記念も2着だった。勝ち切れないのはトップスピードが劣るからだが、ゴールするまで諦めない勝負根性はプロの鑑でもある。混戦での一気浮上は押さえておきたい。
圧勝と大敗の極端なレースを繰り返しているのが山崎賢人。淡泊な性格のせいだろうが、強引さを身につけなければ並の選手になると、自覚してほしい。
伏兵の一人目は2月に特昇した地元期待の新人、青野将大(神奈川・117期)だ。学生時代は自転車競技で活躍したことで知られ、S級では準決勝止まりも素質は一級品。今回は、ここの18年の勝者で師匠の小原大樹(1班)も出走するだけに気合いが入る。初日は1、2着で狙いたい。
大石剣士(静岡・109期)が、ウィナーズCで準決勝進出と好走した。来期7月に待望の1班入りするが、その前に初のGI戦、京王閣ダービー(5月4日~)を走る。逃げれば簡単には捕まらない。予選は突破できる。
大石と同期の瓜生崇智(熊本)は、S級3場所目の2月高松記念で【3】【4】【1】【6】と決勝戦に乗った。機動型ではあるが、まくりが強いのは川崎に向いている。筋違い高配当を狙いたい。
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山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。