「青春のあやまち」から「熟れた大人の情事」まで、ベッドシーンといっても千差万別。当然、演じる女優の世代は幅広い。そこで、手始めに選定したのが、日本映画史で最年少&最年長で淫らなシーンにチャレンジした女優だった。
最年少記録候補として真っ先に挙がったのが、関根恵子=現・高橋惠子=。中学2年生でスカウトされ、卒業と同時に大映に所属した関根は、映画「高校生ブルース」(70年、大映)でデビューする。初主演にして、いきなりフル脱ぎでラブシーンを演じたのだ。関根はなんと15歳で撮影に挑んでいる。
その衝撃度は、公開直後に劇場で鑑賞した映画評論家・秋本鉄次氏の選評からもうかがえる。「当時、私は18歳」だったと振り返る秋本氏は、自分より年下の女優がスクリーンで惜しげもなく生まれたままの姿になるなんて…と驚いたという「体育館の倉庫で初体験をして、妊娠してしまう役どころでしたが、脱いでも清純っぽさを失わない。瑞々しいボディとあどけない表情とのギャップに目を奪われました」(秋本氏)
この記録を超える女優はいるのか。さらに選定を続けると、浮上したのが浅野温子だった。「高校大パニック」(78年、日活)で正真正銘の高校生マッパを披露するなど、若き日から脱ぎまくった。が、その前年に「聖母観音大菩薩」(77年、ATG)で、本格ベッドシーンの初挑戦があった。
「暴漢に襲われて死ぬことを決意した浅野が、同級生に『抱いて、忘れさせて!』と懇願し、首を絞められながら犯されるのです。小ぶりながら形のいいバストは見ものですが、中学生役ということもあり、公式プロフィールに、この作品はありません」(映画関係者)
それゆえ、浅野本人は多くを語っていない。撮影時は15~16歳とされるが、不明瞭ゆえに最年少記録更新とはならなかった。
その点、原田美枝子は15歳で脱いでいる。「恋は緑の風の中」(74年、東宝)で右バストを全開。そのボリュームと幼い顔立ちのアンバランス感は圧巻だった。だが、幻想的なシーンで遠目のカメラアングル。しかも、本格的なベッドシーンは17歳で出演した「青春の殺人者」(76年、ATG)まで待たねばならない。
となれば、やはり高橋が「最年少記録」保持者となる。昨今の映画界のコンプライアンス遵守を考慮すると、もはや15歳で完脱ぎなど不可能。高橋の記録は破られそうにないのだ。