プロ野球の華といえば、首位打者よりもホームラン王。それは映画界も同じで、コツコツと出演作品数を稼ぐよりも、妖艶シーン一発で観衆の目をかっさらう女優こそが映画の華なのだ。本塁打王ならぬ、数々の「情交シーン最多記録保持者」たちを列挙する!
ベッドシーンの「最多主演記録」を持つ女優を検証していくと、最後は、松坂慶子と秋吉久美子のデッドヒートとなった。そして、僅差でトップを飾ったのは秋吉のほうだった。初主演作の「赤ちょうちん」(74年、日活)をはじめ70年代中盤から80年代にかけて、数多くの作品で脱いで、カラみ続けたのが勝因になった。が、さる映画ライターがこう付け足す。
「それだけオファーがあったのは、秋吉の女優力のおかげです。『の・ようなもの』(81年、日本ヘラルド映画)では泡姫、『ひとひらの雪』(85年、東映)では不貞に溺れ、『誘惑者』(89年、ヘラルドエース)に至っては、原田貴和子と甘美な同性好き同士での愛欲シーンを演じた。これだけ演技の幅があるからこそ、ベッドシーン界の主演女王になれたのです」
では、「ベッドシーンの帝王」は誰か。ねちっこいベッドテクで定評のあった緒形拳や津川雅彦が鬼籍に入ったこともあるが、「最多出演記録」では奥田瑛二が他の追随を許さない。
「『もっとしなやかにもっとしたたかに』(79年、にっかつ)に始まり、『赤い玉、』(15年、渋谷プロダクション)まで、これほど長い期間ベッドシーンを演じた俳優は他に見当たりません。マイナーな作品で若い女優とカラむなど、ベテランらしからぬ精力的な活動が続いており、今後も自己記録を更新する勢いがあります」(映画ライター)
更新が期待される記録は他にもある。「最も映像化された原作」で、こちらは同数で2つのシリーズが君臨している。そのひとつが「完全なる飼育」シリーズ。現在まで9作が公開された。原作は松田美智子氏の小説「女子高生誘拐飼育事件」(幻冬舎)なのだが、もはや原作以上に映画のほうが有名になっている。それも99年に公開された第1作のインパクトが大きかったからだろう。童顔の小島聖が爆裂バストをさらけ出した名作だ。
「みごとなバストもそうですが、竹中直人の倒錯した責め技が秀逸。映画館で下腹部を膨らませて、座席を立てなくなった男子が多かった」(芸能記者)
同じく9作品を送り出したのが団鬼六氏の小説「花と蛇」を原作としたシリーズ。74年の谷ナオミ主演の1作目をはじめ、杉本彩や小向美奈子など、旬な女優を起用してリメイクに成功している。10作目で記録更新するのはどちらになるのか。
最後は「最も稼いだ情交シーン作品」で締めくくろう。興行収入約40億円の「失楽園」(97年、東映)がタイトルホルダーになる。役所広司と黒木瞳が不貞カップルの情事と破滅を演じ、社会現象にもなった。
「小粒なバストトップを舐められてぴくぴくと悶える黒木の姿は忘れられません。年齢制限指定を避けるため、過激なシーンはカットしたといわれています」(前出・芸能記者)
ノーカット公開していれば、いったいどんなことになっていたのか…。