70年代アイドルは生バンドをバックに歌い、そして踊っていた。けなげで可憐な姿は、何十年経っても色あせることはない。
ブームの始まりは、71年にデビューした南沙織(66)、天地真理(69)、小柳ルミ子(68)が「新三人娘」と呼ばれてから。音楽プロデューサーの酒井政利氏が分析する。
「ルミ子が陸、シンシアが海、そして真理ちゃんが空のイメージを持っていたことで、バランスのいい関係を築きました」
ルミ子は昨年9月に「もう68歳と思うのか、まだ68歳と考えるのか」(小社刊)を上梓するなど、意気軒高だが──。
「シンシアは完全に家庭の人となって、ここ10年ほどはコメントも発しません。真理ちゃんは、やはり健康状態がよくないようです」(前出・酒井氏)
72年に森昌子(62)が、73年に桜田淳子(63)と山口百恵(62)がデビューし、同い年だったことから「花の中3トリオ」として人気が爆発。昌子は昨年、2度目の引退をしたが、淳子は逆に18年に「桜田淳子プロジェクト」を発足。ベスト盤をリリースしたり、博品館劇場でファンの前で熱唱するなどしたが、やはり統一教会との関連がネックとなり、批判的な声も多い。
「一方で百恵は昨年10月、伝説の武道館でのラストコンサートが40年ぶりにBSプレミアムでオンエアされた。その反響はすさまじく、SNSのトレンド世界1位にもなっていました」(音楽ライター)
三浦友和との結婚後、表舞台には一度も出ていないが、趣味のキルトには積極的に取り組んでいる。
73年にデビューしたキャンディーズは、人気絶頂のまま78年に解散。ミキこと藤村美樹(65)は、83年の一時的な復帰を除けば、芸能界と距離を置いている。スーこと田中好子は、女優としての評価も高かったが、11年4月21日に55歳の若さで、乳ガンにより他界。ちょうど10年前のことであった。
ランこと伊藤蘭(66)は、19年、解散以来41年ぶりに歌手活動を再開。20年のツアーでは、キャンディーズのヒット曲も歌ってファンを歓喜させてくれた。
74年に「めざめ」でデビューした木之内みどり(63)は、歌よりもドラマ「刑事犬カール」(77年、TBS系)や映画「野球狂の詩」(77年、日活)など、女優としての印象が強い。
78年には仕事をキャンセルして作曲家・後藤次利氏のもとへ旅立つ「恋の逃避行」で物議を醸した。その後、略奪婚に発展したものの、その4年後に離婚。現在は竹中直人と再婚している。
76年に「まちぶせ」を歌った三木聖子(64)は、わずかな活動期間で引退。デビュー曲は81年に石川ひとみがカバーして大ヒットとなるが、三木は現在、銀座にクラブをオープン、ママとして活躍中だ。
78年に「狼なんか怖くない」でデビューした石野真子(60)は、愛くるしい八重歯がチャームポイントで、幅広い層に支持された。81年に長渕剛との結婚で引退するが、83年の離婚と同時に復帰している。さらに広岡瞬とも結婚・離婚を経験しているが、今なおドラマでは貴重な個性派として重宝されている。
70年代ラストの年である79年に「グラジュエイション」でデビューした倉田まり子(60)は、ビジュアル面の人気も高く、雑誌グラビアに登場することも多かった。だが、85年に起きた「投資ジャーナル事件」では、中江滋樹の愛人と報道され、関係は否定したものの、芸能界を引退。現在は再起し、キャリア・カウンセラーとして活動。マスコミに登場することはないが、当時のファンクラブと交流を持つことはあるそうだ。